ネットの話題
「かまぼこエアコン」が話題に 取材してみたら深い地元愛が
「かまぼこエアコン」がネットで話題です。一体どんなものなのか、福島県いわき市で取材しました。
ネットの話題
「かまぼこエアコン」がネットで話題です。一体どんなものなのか、福島県いわき市で取材しました。
伊藤弘毅 朝日新聞記者
共同編集記者 「かまぼこエアコン」がネットで話題です。
どんなものなのか実際に確かめるため、福島県いわき市のかまぼこメーカー「貴千」を訪ねました。
貴千の永崎工場の隣にある直売所。様々な商品が並ぶショーケース近くの壁に、そのエアコンはありました。
木の板に乗った、白とピンクの半円筒。遠目に見ると・・・かまぼこにしか見えません。
9月末、このかまぼこエアコンの写真がツイッターでつぶやかれると、5日間でリツイート数は2万回以上に。
貴千の広報担当、小松浩二さん(34)によると、同社の商品を贈られた人が、贈り主から受け取った写真を元につぶやいたのだそう。
なぜ、おそらく日本で唯一のかまぼこエアコンを開発(?)したのか。
きっかけは、ある社員の「エアコンって、かまぼこの形だよね・・・」という単純な一言でした。
それを聞いた若手社員が昨年10月、「少しでもお客様の目をひくように」と市販のカッティングテープでデコレーションしたそうです。
最近では「ツイッターを見て来た」という客も訪れるそうで、「思わぬ反響でした」(小松さん)。
今は修理中ですが、商品を運ぶ「保冷車」もかまぼこ姿に改造してしまったそうです。
じつは、いわき市は2011年3月に起きた東日本大震災と原発事故の以前、「リテーナ成形かまぼこ」の生産量が全国有数でした。リテーナかまぼことは、本体をフィルムで包装した板付きの、いわゆる家庭用のかまぼこです。
貴千の社員には「いわきがかまぼこの町だと再認識して欲しい」との思いがあるといいます。
小松さんは「これをきっかけに全国の方にいわきに足を運んで頂き、かまぼこを食べてもらいたい」と語ってくれました。