連載
#1 みぢかなイスラム
断食しても活躍、さすが一流アスリート W杯・相撲とラマダン
イスラム教徒にとって大切な宗教行事。それは年に一度、約1カ月間に及ぶ断食です。今年はサッカーW杯の決勝トーナメントや、大相撲名古屋場所と重なりました。アルジェリアは、W杯を制したドイツ相手に健闘。エジプト出身の大砂嵐は2日連続で横綱を破りました。その陰に、いったんどんな努力があったのでしょうか?

イスラム教徒にとって大切な宗教行事。それは年に一度、約1カ月間に及ぶ断食です。今年はサッカーW杯の決勝トーナメントや、大相撲名古屋場所と重なりました。国民のほとんどがイスラム教を信仰しているアルジェリアは、W杯で優勝したドイツ相手に健闘。エジプト出身の大砂嵐は2日連続で横綱を破りました。その陰に、いったんどんな努力があったのでしょうか?
ラマダンとは
W杯16強のアルジェリア

2大会連続4回目の出場。今大会で初の決勝トーナメント進出を果たしましたが、優勝したドイツに延長戦の末敗れ、8強入りはなりませんでした。
ドイツとはこんな因縁も
前半終了ぐらいまで水分補給できず

「ラマダンは敗因ではない」

連日金星の大砂嵐

エジプト出身の大砂嵐の得意技は、立ち合いに腕やひじで相手の上体を起こす「かちあげ」。
開催中の名古屋場所では、5日目に鶴竜を、6日目に日馬富士を破り、2日続けて横綱に土をつけました。
朝日新聞によると、2日連続の金星は昭和以降16人目で、2003年九州場所で朝青龍と武蔵丸を2日続けて破った栃乃洋以来だそうです。
今場所の「台風の目」となっている大砂嵐ですが、今年のラマダンは名古屋場所と完全に重なってしまったそうです。
どんな工夫をしてるの

親方の指導は

大砂嵐の親方・大嶽忠博さんはこう語っています。
「断食の時には水も飲めない。これは心配した。エジプトでは断食の時期も6時間は稽古したと聞いていたが、日本の暑さは湿気があり格別。じっと私が観察した。唇や顔を見ながら、こまめにホースで水をかけてやり、後頭部やわきの下などリンパ節を冷やした。その脇では日本人力士は水をごくごく飲んでいた。断食中の真夏の稽古でも自分から『やめたい』と言ったことはなかった」
まわりのサポートがあってこそですね。
大砂嵐の夢
本人はこう語っています。

負けるな大砂嵐!