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そういえば前のW杯で話題の予言ダコのパウルって元気?

出典: =ロイター

目次

とっくに亡くなっていました……。しかも話題になった年の秋に…。

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【訃報】パウル(Paul=ドイツ・オーバーハウゼン水族館のタコ) 2010年10月26日、老衰(とみられる)で、死去。推定年齢約3歳。火葬後、「記念碑」を館内に建てる予定。
 サッカーW杯南アフリカ大会で試合結果を次々と的中させ、一躍「時のタコ」に。W杯後、サッカー欧州選手権予選などの予言を求める依頼が続いていたが、高齢のため隠居状態だったという。
2010年10月27日朝日新聞紙面の記事から再構成

 これだけでは身も蓋もないので、パウル君のどこがそんなにすごかったのかを少し振り返ってみましょう。

驚異の予言!的中率100%

 パウル君の予言スタイルはいたってシンプル。水槽内で、自国ドイツ、対戦チームのそれぞれの旗が貼り付けられた二つの箱のどちらにパウル君が入るかで、勝敗を占うもの。そして的中させた「予言」がタコ…もとい以下。

出典: 2010年7月9日朝日新聞紙面掲載

 上の表には入っていませんが、その後の3位決定戦でのドイツの勝利、そして決勝戦でのスペインの勝利も見事に「予言」が的中し、挑んだ8試合全てを言い当てました。ただ準決勝でドイツがスペインに敗れると予想し、それが見事に当たったことから、ネット上には一部のファンからの辛辣な言葉が……。

「パエリアにしろ」
「フライパンで揚げてしまえ」
「今晩は家でタコサラダだ」
「サメの水槽に入れろ」
2010年7月9日朝日新聞紙面掲載

国内にとどまらず、ドイツに敗れたアルゼンチンなどでも八つ当たりの声が上がり、なぜかW杯本選に出場していないイランのアフマディネジャド大統領(当時)からも激しい批判が……。

「パウルは西洋社会のすべての悪のシンボルだ」
2010年7月27日英デーリー・テレグラフ紙(電子版)

しかし、W杯後は色々と引っ張りダコ

とはいえ、捨てる神あれば拾う神あり。神懸かり的な「予言」で、世界的な注目を浴びたパウル君。色々なところから、様々なオファーがあり、まさに引っ張りダコ状態に。
まずは南米でアプリが開発されました。

 ドイツの予言タコ「パウル」にあやかり、ブラジル企業が「タコに聞け」というiPhoneのアプリを開発し、南米で大人気になっている。…(中略)…アルゼンチンやチリでランキング1位になったという。
2010年7月17日朝日新聞紙面掲載
iPhoneのアプリ「タコに聞け」。タコが海底に沈んでいき、二つの箱のどちらかを選択する
iPhoneのアプリ「タコに聞け」。タコが海底に沈んでいき、二つの箱のどちらかを選択する 出典: 2010年7月17日朝日新聞紙面掲載

さらには、イングランドのW杯招致委員会からも……。

サッカーのW杯開催を目指すイングランドの招致委員会は、南アフリカ大会で勝敗予想を的中させて人気者となったタコの「パウル」を、2018年大会の招致活動の親善大使に起用したと発表した。2歳になるパウルは、現在はドイツの水族館で飼育されているが、英国生まれ。今回の招致活動では、サッカー選手のデービッド・ベッカムなど英国出身の有名人とともに親善大使を務める。
2010年8月22日ロイター通信(日本版)

死後、水族館に記念コーナーも

ドイツ西部オーバーハウゼンの水族館にお目見えしたタコの「パウル」のモニュメント=ロイター
ドイツ西部オーバーハウゼンの水族館にお目見えしたタコの「パウル」のモニュメント=ロイター
昨夏のサッカーW杯南アフリカ大会で試合結果を次々に的中させ、「予言ダコ」として話題になったドイツ西部オーバーハウゼン水族館のタコ「パウル」をたたえるコーナーが、同水族館に設置された。コーナーには、パウルがサッカーボールの上に乗っている像が置かれ、遺灰の入ったつぼがボールの中に飾られている。
2011年 1月21日朝日新聞紙面掲載

タコって骨がないから、きっと壺には遺灰を入れたんでしょうね……。

目指せ第2のパウル君!

今回のW杯でも、世界各地で様々な動物が「絶対に外せない予言」に挑んでいます。
まずは、パウル君と同じタコでは、ドイツ・ベルリンのシーライフ水族館の「レッギーナ」(雌、1歳)。抜擢の理由は……。

「他のタコに比べてすこぶる元気がいい」(広報担当者)と起用されたが、その才能は未知数だ。
2014年6月12日朝日新聞紙面掲載
パウルの後継者としてドイツ代表の勝敗を「予言」するタコのレッギーナ=独シーライフ水族館提供
パウルの後継者としてドイツ代表の勝敗を「予言」するタコのレッギーナ=独シーライフ水族館提供 出典: 2014年6月12日朝日新聞紙面掲載

レッギーナはドイツがポルトガルに勝利すると予想。結果は…
ドイツ4―0ポルトガル
と、見事的中!期待の「後継ダコ」として、まずは幸先の良いスタートを切りました。

タコにできて、哺乳類にできないわけがない!

「予言」に挑戦するのは、タコだけではありません。
同じくドイツの動物園では、アルマジロのNormanが、タコのレッギーナと同じドイツ×ボルトガル戦の「予言」に挑戦。

ドイツの旗が貼られたサッカーボールに近づくアルマジロのNorman=ロイター
ドイツの旗が貼られたサッカーボールに近づくアルマジロのNorman=ロイター

こちらも哺乳類の意地を見せて、見事に的中。
さらに中国では、ジャイアントパンダのYing Meiが、W杯開幕戦のブラジル×クロアチア戦にチャレンジ。
こちらも見事に、ブラジルの勝利を的中させました。

ブラジルの旗が貼られたエサ箱の隣に座るジャイアント・パンダのYing Mei=ロイター
ブラジルの旗が貼られたエサ箱の隣に座るジャイアント・パンダのYing Mei=ロイター

中国・山東省の動物園では、4歳のアジアゾウのYaluも名乗りを上げた。
スペイン×チリの試合を「予言」したところ……。

スペイン国旗の前に置かれたエサに鼻をのばすアジアゾウのYalu=ロイター
スペイン国旗の前に置かれたエサに鼻をのばすアジアゾウのYalu=ロイター

結果、スペインはチリに0―2で敗れてしまい、いきなり外してしまいました……。

蛇足ですが……前述のiPhoneアプリで、日本のコロンビア戦を占ってみました

最後に、パウルにあやかってブラジル企業「uTouchLabs」が開発した、前述のiPhoneアプリ「タコに聞け」(Ask the Octopus)を使って、日本時間25日未明の日本×コロンビア戦を占ってみました。
その結果は……。

iPhoneアプリ「Ask the Octopus」の画面キャプチャー
iPhoneアプリ「Ask the Octopus」の画面キャプチャー

タコが選んだのは「JAPAN」!
日本が1次リーグを突破するには、勝利が絶対条件のコロンビア戦。とりあえず、心強い結果でした。
今回のW杯、日本の結果はもちろん、第2のパウル君が出現するのか、今後も目が離せません。

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