白血病の少年が父と祖父の身を案じる…ユニセフ職員が見たウクライナ

もっと届けたい、医療品以外のもの

宮野 拓也
朝日新聞記者

ウクライナで活動したユニセフ職員のジョー・イングリッシュさん=本人提供

病院で出会ったのは9歳の白血病の少年だった。父親と祖父を残して泣く泣く避難してきたと話した。ただ、その病院でも薬が不足しており、十分な治療が受けられない。母親、祖母そして弟と隣国に避難していった。少年は言った。「父親と祖父は残してきた飼い猫に守ってくれるように頼んできたから大丈夫」。国連児童基金(ユニセフ)のジョー・イングリッシュ広報官(34)が見たのは、そんな言葉で言い尽くせない過酷な光景だった。(構成 朝日新聞記者・宮野拓也)

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