がんを書いてきた私が乳がんに…書けなかった〝孤独と絶望〟の体験記

乳がんと診断されたライターの女性は、闘病記を書けずにいました。

高橋健次郎

藍原育子さんは、苦しみの中で「キャンサーギフト(がんの贈り物)なんてないよ……!」という言葉があふれ出ました=提供

ライターとして、がん検診や治療法の記事を執筆してきた藍原育子さんは8年前、乳がんの診断を受け右胸を全切除(全摘)、再建手術を受けました。自身の体験記をまとめようと思いましたが、「書けなかった」と話します。

ホルモン治療は5年間続きました。がん再発や転移の不安にさいなまれ、体調も崩しがち。仕事を続けることに支障も出て、妻や母親としてのあり方にも影響を及ぼしました。

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