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#4 w-inds.橘慶太さんインタビュー

橘慶太さん「今のw-inds.をどう見てる?」が気になって…

長らく作詞作曲やプロデュースを手掛けてきたw-inds.メンバーの橘慶太さん。しかし、最新アルバムでは外部のプロデューサーに楽曲提供を依頼。その理由を尋ねると……。
長らく作詞作曲やプロデュースを手掛けてきたw-inds.メンバーの橘慶太さん。しかし、最新アルバムでは外部のプロデューサーに楽曲提供を依頼。その理由を尋ねると……。 出典: ポニーキャニオン提供

目次

今年3月にデビュー23周年を迎えたw-inds.。メンバーの橘慶太さんは長らく作詞作曲やプロデュースを手掛けてきましたが、最新となる15thアルバム『Beyond』では外部のプロデューサーに楽曲提供を依頼。その経緯には、長らくプレイングマネージャーのような立ち回りをしてきた葛藤もありました。(朝日新聞デジタル企画報道部・朽木誠一郎)
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《略歴》たちばな・けいた 1985年、福岡県生まれ。w-inds.のメインボーカリストとして、2001年にシングル「Forever Memories」でデビュー、初のアルバム「w-inds.~1st message~」がオリコンチャート1位を記録し、「第43回日本レコード大賞」最優秀新人賞を獲得。23年に15枚目のオリジナルアルバム「Beyond」をリリース、同アルバムを携えた「w-inds. LIVE TOUR 2023 “Beyond"」を開催。24年には「w-inds. LIVE TOUR 2024 “Nostalgia"」を予定する。作詞作曲、プロデュースを手掛け、ソロ活動やサウンドエンジニアとして他のアーティストとのコラボレーションにも取り組む。

「みんな見ててくれたんだな」

――w-inds.の中では慶太さんが作詞作曲、プロデュースまで手掛けていました。プレイングマネージャーのようです。

最近、自分でもそう感じてきましたね。今まではそんなふうに考えてなかったんですよ。必死にやっていたらこうだった、みたいな。

でも、ふと「あれ、なんか全部、自分でやってるぞ」って気づいて(笑)。これって良いところもあるし、絶対、悪いところもあるなって感じてるんですけど……現状そうです。

長い間、自分で楽曲だったり、ライブのプランだったりを作るのもそうですしミュージックビデオの内容とかジャケットのイメージとかの制作過程ももう、本当にほぼ自分たちで完結させてたので。もちろん、ご協力いただいている方々もたくさんいるんですが、基本的には。

「ここまでやっていいのかな」って思っていた部分はあるんですが、今ではもう「逆に自信を持っていこうかな」という気持ちになっていて。「それくらい僕は熱を入れてやってる」ってことには胸を張っていこうかなと、ちょっと思ってます。

――オールマイティーな天才肌なのかな、と思っていましたが、お話をお聞きすると少しイメージが違いました。

僕は本当に、自分のことは全く天才だと思ってなくて。逆境だからこそ、こう頑張れるっていうか。

――アルバム『Beyond』では、葉山拓亮さん、松本良喜さん、今井了介さんら、デビュー当初からw-inds.の楽曲を手掛けてきた作家陣に楽曲提供を依頼していますね。

これも結構、前からやりたいことではあったんで、やっと実現したんですけど。

セルフプロデュースをするようになって、さらにメンバー編成が変わったw-inds.の転機に、お世話になったプロデューサーのみなさんはどんな曲を作ってくれるんだろう、今のw-inds.をどう見ているんだろう、と常に思っていて。

例えば葉山さんはデビュー当時からw-inds.を作ってくれた方なので。その曲を今の僕たちが歌ったらどうなるんだろう、って。で、楽曲を作ってもらったんですけど、なんかすごく愛を感じたというか、みんなw-inds.を見ててくれたんだなっていう印象を受けました。

デビュー当時からこれまでのw-inds.を、今のサウンドに落とし込んでくれていた。僕はもう、あまりにもうれしくて、直接、電話しちゃったぐらい。「こんないい曲、ありがとうございます」って葉山さんに伝えたんですけど、クールな方なので、「あ、そうなんですね」くらいの感じでした(笑)。

僕が一生懸命、愛を伝えてもそう返されるんですけど、僕はそれでもめげずに伝えましたよ(笑)。

「1でもない0.5でもいいから」

――セルフプロデュースから、また外部のプロデューサーさんに依頼するようになったのは、心境の変化なのでしょうか。

僕は「全部自分でやろう」とは実は思っていなくて。「自分でやりたいから誰かの曲をやらない」っていう気持ちもなく、その都度その都度、他の方からのデモ楽曲を聴いて、みんなで次の楽曲についていろいろと考えながらやる中で、たまたま僕の曲が採用され続けていた、っていうのが正直なところなんですよ。

はたから見たら「もう完全にセルフプロデュースになったのかな」という印象になったと思うんですけど、実際そういうことではなくて。もちろん、「自分のやりたい曲を自分で作れる」って状態になっちゃうと、やっぱりどうしても、自分が作った楽曲が選ばれやすい環境にはなっているのかな、とは思うんですけど。

そういった状況で、本当にずっと提供曲をやりたかったので、ひさしぶりに(提供曲を)やるんだったら、やっぱりデビューの時とか、これまでにもあった転機の時に支えてくれた方の楽曲を、僕はw-inds.のファン目線で聴きたいなと思ったので、それでお願いさせていただいたっていう感じですね。

――客観的にw-inds.を見ていて、その視点がプロデューサー的ですよね。

どっちかというと、その類の人間だと思います。あんまりこう、自分のこだわりに固まりすぎない部分は常に昔からあるというか。

何かを作るときも、人の意見を絶対に取り入れることを大切にしてますし、自分の楽曲を作ったときに「もっとこういうのがいいかも」とか言われたら、もう秒で取り入れます。

――もちろんアーティストですし、言葉の定義にもよりますが、アーティストタイプというよりは、クリエイタータイプなんでしょうか。

そう、僕の性格はそっちに向いてるかなっていうのは、ちょっと感じている部分ですね。

――w-inds.、慶太さんとしての今後の目標はありますか?

やっぱり、常にチャレンジしたいっていう意味で最近、感じているのが、僕と(メンバーの千葉)涼平君の色がどんどん濃くなってきているので、w-inds.としてだけでなく、一人一人のソロの活動をやると面白いかなと思って。

w-inds.の活動をしながら、ソロでしかやれなさそうな楽曲を涼平君がやるのを観てみたい気持ちがあります。

チャレンジ精神を失いたくないっていうのもそうですし、あともう今よりも常にいいパフォーマンスをしたい、成長したい。「このくらいでいいかな」ってやっぱり思いたくないっていうか。何でもいいから少しでも昨日の自分を超えていたい。よくある表現ではありますけど。

――よくある表現でも、それを実践し続けていることが、一番すごいことではと感じます。

それが目標ではありますね。本当にもう、積み重ねじゃないですか、変化って。一気に昨日の自分から今日の自分が100から200になってることはないんで。やっぱ100を101、それもわがままで、もう1でもない0.5でもいいんですけど、そうやって伸ばしていくことしかないと思うんで、成長は。
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▼2024年7〜9月のツアー「w-inds. LIVE TOUR 2024 "Nostalgia"」の情報はこちら


▼「一生w-inds.ですか?」尋ねると…橘慶太さん語る〝やめ時〟 - 朝日新聞デジタル

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