女性が三線を弾くなんて…偏見はねのけた沖縄民謡の唄者、84年の生涯

赤い髪、配給ウイスキー ハワイや南米を放浪

坂本 真子

2012年12月、東京都内で演奏したときの大城美佐子さん。細くて伸びのある高音は「絹糸声」(いーちゅぐい)と呼ばれ、多くのファンに愛されました=戸澤裕司氏撮影

レジェンドの突然の死から2カ月。大城美佐子さんは、沖縄民謡の類いまれな唄者(うたしゃ)でした。エルヴィス・プレスリーが生まれた翌年に生まれ、女性が三線を弾くことが良しとされなかった時代に、自らの耳で唄と三線を覚え、腕を磨いた大城さん。細くて伸びのある高音や、即興で次々に詞を紡ぐ歌いっぷりで全国にファンが多く、旅に出ると1年以上音信不通になることもありました。そんな自由すぎる生き方で、海辺を吹くそよ風のように歌い続けました。(朝日新聞・坂本真子)

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