疫病は船でやってくる 遣唐使船にクルーズ船……民俗学者がひもとく
日本人が海の向こうに抱いてきた「恐怖」
当初、日本にとって「対岸の火事」とも思われた新型コロナウイルス。民俗学者・畑中章宏さんは、天平時代の遣唐使までさかのぼりながら「疫病は船でやってくる」と歴史をひもときます。コレラ、スペイン風邪など、日本を揺るがしてきた疫病。「船」をキーワードに読み解いた時、見えてくるのは「日本人は海の向こうからやってくる脅威に、潜在的な『怯(おび)え』を抱き続けてきた」と解説します。畑中さんに、「船」から考える日本人と疫病の闘いについてつづってもらいました。