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AKB総選挙、中止でも「逆に奇跡」 前乗りしたファンが見た「伝説」
大雨によって、開票イベントとコンサートが中止になったAKB総選挙。沖縄に前乗りして構えていたファンは「別に悲観してたり、怒ってたりしていないです」と語りました。モノからコトへ。リアルイベントの価値が注目される中、「伝説に立ち会う」ことを求めた10年来の熱烈なファンの「奇跡の日々」について聞きました。
「奇跡の日々」について語ってくれたのは、IT会社に勤める、みよしこういちさんです。みよしさんは、土曜日のイベントに備え、木曜日に沖縄入りしました。
――なぜ沖縄へ
「絶対に神イベントになると思ったからです。梅雨の時期と知って、雨くらいいいというか、逆に奇跡ある!って期待してました」
「僕3年前の総選挙に行ってて、その時、雨だったんですよ。でも、その雨のおかげで伝説的な総選挙になったと思ってたんで。『運営、まじチャレンジ!』って思ってました」
――応援しているメンバー、推しメンは?
「まゆゆ(渡辺麻友さん)です。でも、僕の推しは大体卒業しちゃったし、さや姉(山本彩さん)も出てないし…なので、そんな誰かを推しにきてないです。伝説見に来たかっただけです」
――イベント中止を知った時のお気持ちは?
「金曜日の朝、友だちからLINEで『ちゅうし?』っていう5文字だけきて。ググったら(検索したら)ネットのニュースに上がってて知りました」
「『梅雨にやること自体間違ってる』とかいろいろ言われてるんですが、前乗りして沖縄に来てる人たちは、別に悲観してたり、運営に対してそんなに怒ってたりしないと思うんですよ」
「そんなんするんだったら前乗りとかしないです。『あっちゃー中止かぁ。さて、どうしようこの場面。これは奇跡だ』ってわりとポジティブに考えてる人多いんじゃないかと思います」
「実際、僕も中止を聞いた後のイベント前日の1日は楽しかったですし。それにいまさら梅雨のこと言われても、悲しいのは僕たちなので、いっそのこと一緒に笑ってほしいですね!」
6/17(土)「AKB48 49thシングル選抜総選挙」および「AKB48グループコンサート」開催中止が決定致しました。
— 細井孝宏 (@taka_hos) 2017年6月16日
心待ちにして頂いたファンの皆様に、心よりお詫び申し上げます。
詳細は下記リンクをご覧ください。https://t.co/0JZxLeRyXH pic.twitter.com/M9acPDYNAv
――では、イベントはなしでもよかった?
「いやいやいや、ライブはやってほしいですよ!絶対。会いに来てますから!でも、あえて中止でよかったなって思うとしたら、次ある時、絶対伝説になる可能性があることですかね」
「次への伏線としてはこれ以上のものはないので、運営の方々にはぜひ、またやってほしいです!(でも、できれば梅雨以外で)」
――想定外のトラブルも含め、総選挙というイベントによってファンの団結力は高まる?
「個別のメンバーとファンが団結するという意味において、総選挙はすごいシステムなのかもしれません。ただ、AKBを好きな人が全員でまとまる、一丸となるというわけではないとも思います。総選挙で心が離れてしまっている人も多いと思います」
――沖縄のような東京以外の地方でやる意義は?
「梅雨とか絶対に沖縄に来ないと思うんですよ。そんな中、レンタサイクルして、途中で大雨降ってきて、カッパ着て、すげー透明度な海を見て『あ、沖縄来てたんだ!』ってやっと気づいて、同じように会場に行く人たちを見つけて、会場見に行って、入らせてもらえなくて、海に少し入って、帰って」
「他人から見たら楽しくなさそうな時間ですが、めっさ楽しかったですよ。話しかけないけど、同じような境遇な人がいるときのシンパシーとかもう泣けてくるし、絶対来ないはずの時期に絶対来ない場所に来て『総選挙なくなったわー』と言ってはしゃげるし」
「結局、どこに行くかじゃないんですよね。自分次第なんだよなって改めて思いました。なので、観光地とかそんなのどうでもよくって、楽しむ気持ちがあればそれは旅なんだなと思えました」
――総選挙が、もっと盛り上がるためには?
「AKBのよさは、色んなキャラの人が集まってて、いろんな価値基準で測ってもらえる。そういうところだったのではないかと思うので、総選挙だけが注目度の高い祭典というところから抜け出せるのが一番なんじゃないかなと思いました」
――今回、幸せに感じた瞬間は?
「龍神の湯という温泉に入ったんです。たぶん、男風呂にいたほとんどの人は、総選挙見に来てたと思います。AKBとか総選挙の話を聞き耳立てて聞きながら、みんなAKB好きだなぁって思ったあの瞬間は、よくわからないけれど、幸せでした」
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