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AKB総選挙、それでも那覇に降り立った猛者たち「最悪、テレビ買う」
6月恒例のAKB総選挙。今年は初の沖縄開催でしたが、雨のためビーチでのイベントが中止になりました。開票は無観客で行われ、テレビ中継されますが、沖縄ではパブリックビューイングの予定はありません。中継が見られないことをおそれ、沖縄入りを見送るAKBオタたちが相次ぐ中、那覇空港に降り立った黄色の集団は。
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6月恒例のAKB総選挙。今年は初の沖縄開催でしたが、雨のためビーチでのイベントが中止になりました。開票は無観客で行われ、テレビ中継されますが、沖縄ではパブリックビューイングの予定はありません。中継が見られないことをおそれ、沖縄入りを見送るAKBオタたちが相次ぐ中、那覇空港に降り立った黄色の集団は。
まさかのイベント中止となったAKB総選挙。沖縄ではパブリックビューイングの開催予定はありません(16日19時現在)。中継が見られない難民化をおそれ、沖縄入りを見送るAKBオタたちが相次ぐ中、那覇空港にさんぜんと降り立った黄色の集団がいました。指原莉乃さんを推す「指原会」のメンバーたちです。ユーは何しに那覇に? 空港で聞きました。(朝日新聞文化くらし報道部・滝沢文那、デジタル編集部・佐々木洋輔)
イベント中止にも関わらず沖縄に降り立つ強者オタを求めて空港に向かうと、到着ゲートの前でたむろする一風変わった男たちを発見。指原さんの巨大な顔面プリントのTシャツを着ている男性が含まれており、早速声をかけてみました。
メンバーは、研究生時代から指原さんを応援してきた愛知県豊山町の介護福祉士ちゃいさん(57)、一見アイドルとは縁のなさそうな愛知県豊田市の会社員masamiyaさん(55)、指原さんの顔面Tでキメた福井市の自営業マックさん(42)、本名まで教えてくれた京都府宇治市の公務員岩さん(46)。そして、「若さが感じられない」といじられていた愛知県江南市の実家暮らし大学生Tomohiroさん(20)。
みなさん指原さんを象徴する黄色のものを身につけて結束力をアピール。まだ前日なのに、気合がすごいです。
masamiyaさんいわく、「かばんの中にはまだまだ詰まってますから。これは正装じゃないです」。
当日はどうなってしまうのでしょうか。
せっかくのイベントが中止に。さぞ見られないことを悔しがっているかと思いきや、ちゃいさんは、「かわいそうなのはメンバー」と即答。「さっしー(指原莉乃さん)もまゆゆ(渡辺麻友さん)も今年が最後なのに。普段の総選挙の雰囲気と違うし、かけ声もかからない」。さすがに優先順位が違います。
この日集まる予定だった指原会のメンバーは20名ほど。福岡や新潟での開催時は40人ほどが集まったそうです。
今回は、イベントの中止でさらに半分くらいになりそうだとのこと。それでもやってきた理由を聞くと、「飛行機もホテルもキャンセル料がかかっちゃうし、休みもとってある。それなら、集まって盛り上がろうと」とちゃいさん。
最大にして唯一の目的だった総選挙が生で見られない以上、どうするんでしょうか。
ちゃいさんは、「とりあえず、今夜は那覇の繁華街でテレビの見られる居酒屋を探すように頼まれてるんですよ」。
なるほど、オタ仲間との絆を感じます。さらにTomohiroさんと目配せし、「さっきも話してたんだけど、どこにもテレビがなかったら、最悪近くの電器屋でテレビ買おうかって」。
実は、ちゃいさんとTomohiroさんは、総選挙の2日前である15日から沖縄入りしていました。
空いた時間は「聖地巡礼」として指原さんがファースト写真集「猫に負けた」の撮影で訪れたというタコスのお店へ。「すごいうまかった」と興奮気味でした。
他にも、指原さんが来たことがあるお店などはあり、そうした「関連施設」を巡って時間を過ごしていたとのこと。「お店の人が、ここに座ったよとか教えてくれて、そこに座ってみたりして」気分を盛り上げたそうです。
今年の総選挙で指原さんの参加は最後。当然盛り上がっていると思ったのですが、「いつもと同じです」と悟りに達したような回答。むしろ、「昨年の方が熱はあった」という冷静な分析が複数聞かれました。
昨年は史上初の連覇を目指し、多くのオタが死力(資力)を尽くした戦いを展開。「去年燃え尽きたという人は多い。今年はどう熱を維持するか」が課題です。
一方で、「メディアへの露出で、若い女性などファンの数は増えている。ただ、1人あたりのCD購入枚数は減っている」といいます。
ここにいるメンバーの多くは指原さん関連のイベントにも頻繁に参加し、ちゃいさんは「親よりも指原に会っている」と豪語。実家住まいだというTomohiroさんも同調していたので驚きました。
指原さんを応援する気持ちでつながっている「指原会」のみなさん。聞けば、総選挙や握手会などでここ3~4年に出会ったそうです。イベントの際にホテルが同じだった、という縁も。
意外にも、SNSではなくリアルな場所での出会いなんですね。飲み会を開くなど、親交を深めている様子でした。ちなみに、16日夜も飲み会が開催されるみたいです。
ちなみに、他にも指原さんを応援するオタのグループがあるんだそうです。応援の仕方を巡って対立やトラブルにならないんでしょうか。「仲いいです。一緒に飲み会やったり、合併しちゃう場合もある」とマックさん。岩さんいわく「指原の下は全員横並び」。総選挙でも、選挙対策委員長を指原さん本人が務めていることが、みなさん誇らしい様子でした。
「ほっといてもみんながんばるから」「統制がとれているところが一番の強み」と口々に語ります。ちなみに、指原さんのファンは年齢層が高く、Tomohiroさんは貴重な若手とのことでした。
なぜ指原さんを好きになったのでしょうか。長くなりそうなので、代表して研究生時代からのファンであるちゃいさんに聞きました。
たまたまテレビで見かけ、「おっさんのハートはピコピコハンマーで打ち抜かれた」とちゃいさん。他のメンバーは、「第一印象はちょっと変わった子」と言いますが、ちゃいさんは、「美少女キャラの次世代エースだったんだよ」と懐かしそうに語ります。
ところで、最近は乃木坂46や欅坂46など、AKBグループとは別のアイドル集団の台頭が目立ちます。その辺は、どう感じてるのでしょうか?
「”坂道”はできあがっちゃっているんですよね。ビジュアルも歌もダンスも完璧だし」と、同年代のTomohiroさん(20)は話します。
なるほど、乃木坂や欅坂は、”坂道系”ですか。勉強になります。
彼らがAKBの魅力として強調するのは「成長物語」ということ。
「秋元康さんは『クラスで1番かわいい子ではない集団がAKB』と話していた。目立たなかったあの子が、苦難を乗り越えて成長し、スターになる。その過程を陰で支え、見守るのが楽しい」と、ちゃいさんは語ります。
では、今回を最後に総選挙から引退宣言している指原莉乃さん。スターとなった指原さんが飛び立った後、指原会はどうなるのでしょうか? 解散するのでしょうか?
「んー、実はポスト指原にしたい意中の人が、いるにはいるのですが。きょうのところは勘弁してください。みな表立っては言いませんし。まずはあしたの総選挙に集中しましょう」と、『指原莉乃』と書かれたセンスをそよがせながら、masamiyaさんは話しました。
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