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AKB総選挙、新潟人なら知っている「ご当地愛」 メンバー躍進の秘密
AKB総選挙が17日、沖縄県内で開催されます。5月31日に発表された速報では、新潟を拠点とするNGT48の荻野由佳さん(18)が、5万5061票を獲得して1位と発表されました。前年の地元開催で振るわず、涙を流したNGT勢は今回、「選抜入り」の上位16人に計3人、上位100人に計11人が入る大躍進。その理由を、NGTの誕生から今春まで、新潟で取材していた記者が分析します。
女王はあの時、この状況を予測したでしょうか。2016年6月18日、AKB選抜総選挙の結果発表後の会見。史上初の2連覇を達成したHKT48の指原莉乃さん(24)は、閉幕後にNGTのメンバーが舞台裏で「私たちの結果がふがいなくて悔しい」と泣いていたことを明かした上で、「その思いはいつかまた新潟の皆様に届くと思う。NGTのメンバーにはさらに頑張ってもらいたい」とエールを送っていました。
指原さんは今回の速報で3位。ツイッターでは、危機感をあらわにした投稿をしていました。
今日も今くらの収録で女の悪口を言いまくって楽屋に戻って速報結果を見ていたら。。
— 指原 莉乃 (@345__chan) 2017年5月31日
三位!!!!
女のSNSの悪口言ってる場合じゃない!やばい!!!
携帯から最大11票簡単に投票できますので興味のある方は是非応援宜しくおねがいします! pic.twitter.com/tRW7pjGne4
NGT勢で前年、最終結果で名前が発表される80位以内に入ったのは、5位だったAKB48と兼任の柏木由紀さん(25)、12位だったキャプテンの北原里英さん(25)と、76位で地元新潟市出身の加藤美南さん(18)の3人だけでした。
柏木さんが不参加の今回、速報で名前が発表されたのは荻野さんと、5位の本間日陽さん(17)、7位の高倉萌香さん(16)、24位の山口真帆さん(21)、31位の宮島亜弥さん(19)、34位の西潟茉莉奈さん(21)、52位の中村歩加さん(18)、83位の中井りかさん(19)、89位の太野彩香さん(19)、92位の北原さん、94位の奈良未遥さん(19)の計11人。うち本間さん、高倉さん、宮島さん、中村さんが新潟県出身です。
躍進の理由にはもちろん、本人たちと、彼女たちを支えるファンの努力を外すことはできません。
4月発売のメジャーデビュー曲「青春時計」を、CDシングル週間ランキング(オリコン調べ)で初登場1位に輝かせました。
過去のAKBグループのオーディションではなかなか合格できず、NGTでようやくチャンスをつかんだ苦労人の荻野さんは副キャプテン。持ち味の激しいダンスから、一生懸命さが伝わってきます。本間さんは、ファンへの接し方が丁寧なことが知られています。メンバー全員が登場する取材の際、自分には質問が飛ばなくても、帰り際に「ありがとうございました!」と大きな声であいさつする姿に好感を覚える報道陣も少なくありません。
ですが、それ以上に重要なのは、今村悦朗・NGT48劇場支配人が「NGT48も言うなればローカルアイドル。地域に貢献することが使命と思っている」と話すように、過去の姉妹グループ以上に「地域密着」を心がけていることがついに花開いたため、とみています。
オーディションに立ち会った柏木さんは「新潟を盛り上げたいと話す子がすごく多かったのが、印象的だった」と語っていました。
高倉さんは自己紹介で、メンバー唯一の上越市出身者であることをPRします。新潟県民以外はピンとこないのでは、と個人的には思うのですが、地元愛の強さが伝わってきます。県外出身者の太野さん=兵庫県出身=も「新潟は道を教えてくれるなど優しい人が多い」「(焼きそばにミートソースをかけた地元グルメの)イタリアンが好物」と新潟への愛情を語ります。
地元の行政も企業も発信力に期待。新潟市出身の中村さんは、加藤さんと一緒に同市南区PR大使を務めています。
金融では第四銀行、酒造会社では菊水酒造という県内大手がCMに起用。新潟のアイドルと言えば、7月20日で活動15年目に入るNegicco(ねぎっこ)が有名ですが、彼女たちは大光銀行、朝日酒造という同業他社のCMに出演し、「CMでも『新潟アイドル戦争』」と話題になっています。
他にも様々な行政や企業のキャンペーン活動に協力し、篠田昭・新潟市長は「ここまで市や企業とコラボレーションした(AKBグループの)地元はないのでは」と語ります。地元・新潟大学には、NGT愛が募って、卒業論文でねぎっことの比較をした学生もいました。
様々な都市に生まれたAKBグループ。中でも各グループの人気メンバーは、メジャーになるにつれ「東京の芸能人」になりがちです。
そんな中、まだ結成2年弱のNGTには、他のグループにはない濃ゆい「ご当地色」があり、それがグループ総勢322人が立候補する総選挙のライバルたちの中での差別化につながりました。
そして何より、苦労人というバックグランドが「ご当地色」と絶妙な掛け算の効果を発揮し、女王、指原さんをびびらせる結果を生んだようです。
速報を受け、「新潟のためにも貢献したいです」と語る荻野さん。そのけなげな気持ちがしっかりと届けば、南国・沖縄で新潟からの旋風が巻き起こるかもしれません。
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