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トランプ氏に異議! カナダ「イケメン首相」トルドー氏 異色の経歴
妻は元TVキャスター。
カナダのジャスティン・トルドー首相が、難民たちに向けて「カナダへようこそ」とツイッターで発信し、話題を呼びました。トランプ米大統領が、難民の受け入れや、中東・アフリカ7カ国の国民の入国を一時禁止する大統領令を出し、国際社会から批判を浴びているさなかのことです。俳優のような甘いマスクに加え、若々しくてリベラルな首相。いったい何者なのでしょう。
#WelcomeToCanada pic.twitter.com/47edRsHLJ5
— Justin Trudeau (@JustinTrudeau) 2017年1月28日
「迫害、恐怖、戦争を逃れようとしている人たちへ。信仰にかかわらず、カナダの人はあなたたちを歓迎する。多様性は私たちの力だ」
カナダのトルドー首相は1月28日、自らのツイッターで英語とフランス語で発信しました。英語の発信は40万回以上リツイートされました。
To those fleeing persecution, terror & war, Canadians will welcome you, regardless of your faith. Diversity is our strength #WelcomeToCanada
— Justin Trudeau (@JustinTrudeau) 2017年1月28日
トルドー氏は45歳。1968~84年に首相を務め、カリスマ的な人気があったピエール・トルドー氏の長男で、首相公邸で育ちました。
スノーボードの指導者や教師をした後、環境やコミュニティーサービスに関する市民活動を経て、2008年、政治の道に。自由党のホームページの自伝では、「最初は食料品店の駐車場で、看板を持って訴えることから始まった。スタッフは妻だけ、あとは友人数人がボランティアで支えてくれた」と振り返っています。
その妻は元テレビキャスター。自伝では、妻を何度もデートに誘ったこと、最初のデートで「この人しかない」と思ったことまで明かしています。子どもは3人。最初の子を授かった時の喜びも率直につづり、家族を大切にしている様子がうかがえます。
こうしたフランクさに支持が集まり、政治家としてのキャリアは短いものの、2015年10月の総選挙で自由党を第1党に導きました。
首相に就任すると、30人いる閣僚をカナダで初めて、男女半々に。理由を問われ「2015年だから」と答え、話題を呼びました。
閣僚の顔ぶれも多彩です。例えば、移民・難民・市民権大臣のアハメッド・フッセン氏は、ソマリアで生まれ育ち、16歳の時に難民としてカナダに。スポーツ・障害者大臣のカーラ・クワルトロー氏は、生まれながらの弱視で元パラリンピック選手。4人の子どもを育てる母親でもあります。
政権発足から1年あまり。「見た目ばかりで中身がない」という批判もありますが、高い支持率を維持しています。
カナダでは、フランス語系住民の多いケベックで分離・独立の動きが盛り上がり、1995年の住民投票でわずかな差で残留派が勝った歴史があります。また、毎年人口の約1%前後が移民としてやってくるため、異なるルーツの人たちがどうまとまっていくかが課題です。
1月29日夜にケベック市のモスクで起きた銃乱射事件の後、トルドー首相はこんな声明を出しました。
「このような意味のない暴力を見るのは痛ましい。多様性は私たちの力であり、信仰への寛容さは私たちカナダ人が大切にしている価値観だ」
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