ネットの話題
〝世界で一番カッコいい国語辞典〟に反響 ドラゴン「価値高める」
他の辞書類への進出可能性は……
ネットの話題
他の辞書類への進出可能性は……
「世界で一番カッコいい国語辞典!!」帯にそうかかれた国語辞典がXで話題を集めました。子どもたちに人気の「ドラゴン」があしらわれたフルカラーの辞典。収録語にドラゴンがないことを指摘する声もありましたが、真相は――。出版したGakkenに話を聞きました。
話題の国語辞典は、昨年末にGakkenから発売された『新レインボー はじめて国語辞典 ドラゴンドリルエディション』です。
未就学児から小学校低学年向けの作りで、同社の学習ドリル「ドラゴンドリル」とコラボしたもの。ドラゴンドリルは、ドラゴンがあしらわれ、ゲーム感覚で学習習慣をつけられるよう工夫された小学1年~4年向けの算数や国語の学習ドリル。計18冊のシリーズ累計発行部数が100万部をこえる人気シリーズです。
この国語辞典が「世界で一番カッコいい国語辞典」という、辞典の帯に書かれているフレーズとともにXで投稿されると「いいね」が2万5千つくなどして拡散され、「ガチかっこいい」「小学生あるある」などといったコメントが付きました。
この反響について、Gakkenの編集者・鈴木かおりさんは、「辞典全般を通じて新商品を必ずチェックし、隅々まで見てくださる辞典の愛好家の方は一定数いらっしゃり、普段からある程度の反応はあります。ただ、今回の投稿への反応は桁違い。ドラゴンというキャラクターの強さを感じました」。
2019年に始まったドラゴンドリルシリーズの担当者でもある小出貴也さんは、辞典の帯の「世界で一番カッコいい国語辞典」というフレーズの発案者でもあります。
小出さんは、今回の商品企画に至った理由を、「すでにドラゴンドリルシリーズにはファンがついています。その子たちに辞典を使ってもらったり、逆に辞典を使った子がドラゴンドリルシリーズに興味を持ってくれたらいいなと思って企画しました」と話します。
「ドラゴンのファンは、主に男の子。未就学の頃は特撮物や乗り物が好まれますが、小学生くらいからドラゴンを好きになる子も多いですよね」と、ドラゴンファンの傾向を分析します。
Gakkenでは、これまでも、ディズニーキャラクターをあしらったり、子ども服ブランド「mezzo piano」(メゾ・ピアノ)」とコラボしたりした、子ども向けの国語辞典を複数発売しています。
低年齢向けの辞典の特徴としては、全ページフルカラーにすることで、「あ行」「か行」など行ごとにページのテーマ色を変えて視認性を高めたり、「ことばのテーブル」としてページの最上段に、ページに掲載されている言葉だけを並べたりして、調べたい言葉を探しやすくするなどしています。
学習指導要領では小学 3 年で国語辞典、4 年で漢字辞典の引き方を学習すると定められていますが、この国語辞典ではそれよりも低年齢の子どもを対象にしているため、収録語彙は少なめで、表現もわかりやすくしています。
辞典の「顔」となっているドラゴンは、3人のイラストレーターによるもの。カードゲームのイラストを描いたり、ソーシャルゲームのモンスターデザインをしているイラストレーターが携わっています。
ソーシャルメディア上の反響の中には、ドラゴンをあしらった辞典であるにも関わらず、収録語に「ドラゴン」がないといった指摘もありました。
鈴木さんはこの指摘について「ご指摘ごもっともです」と苦笑い。
「収録語の基準について詳細はお答えしないようにしていますが」としつつ、「目安としては、教科書教材などで出会いやすい言葉を優先している」とし、「ドラゴンはエンタメ性が高く、優先順位が下がったと考えていただくといいかと思います」とします。ちなみに「竜」は収録されているそうです。
ただ、今回の指摘も含め、収録語について改訂に向け改めて検討しているそうです。
話題を呼んだ『新レインボー はじめて国語辞典 ドラゴンドリルエディション』の売れ行きは「堅調」。進学や進級の春を前に、これからの伸びも期待しているそうです。
今回は、辞典にあしらわれたキャラクターが話題となりましたが、鈴木さんは「収録語など中身もオススメできるものです。いま、辞典をなかなか手にとる機会が少ない中で、『表紙が気に入った』とか『これなら部屋に置きたい』という理由で選んでもらえるなら、それはそれで新たな価値だと思っています」とし、「キャラクターは、辞典の価値をより高めたり、間口を広げたりするものだと考えています」と話します。
今後、ドラゴンドリルシリーズが他の辞書類へ進出する可能性を聞くと「編集部はやる気満々です」と話していました。
1/5枚