IT・科学
ジョブズは自分の子どもにiPhoneやiPadを使わせなかった
米アップルのスティーブ・ジョブズは、自分の子どもたちにはiPhoneやiPadを使わせていなかった――。ニューヨークタイムズが報じています。
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米アップルのスティーブ・ジョブズは、自分の子どもたちにはiPhoneやiPadを使わせていなかった――。ニューヨークタイムズが報じています。
米アップル創業者のスティーブ・ジョブズ(2011年10月死去)は、自分の子どもたちにはiPhoneやiPadを使わせなかった――。米新聞大手ニューヨーク・タイムズが報じています。
それによると、2010年後半のある時、ジョブズは同紙のニック・ビルトン記者に電話をかけ、彼が書いた記事を猛烈に批判。記事は発売されたばかりのiPadの欠点について書いたもので、ジョブズはその記事に間違いがあると主張したそうです。
一通りのやりとりが終わった後、ビルトン記者がちょっとした「反撃」にでます。
「じゃあ、あなたの子どもさんたちはiPadが好きなんでしょうね」
ジョブズの答えは、驚くべきものでした。
「いいや。まだ、使ってないよ。家庭では、子どもたちのハイテク使用を制限しているんだ」
これを聞いて、ビルトン記者は「しばらく言葉が出てこなかった」と振り返っています。
「てっきりジョブズ家は、ハイテクおたくの天国のようになっているとばかり思っていた。特大スクリーンの壁。iPadをタイルのように使ってできた食卓。そして、枕にお休みチョコを置くように、客にはiPodが渡される――。だから、ジョブズの答えは本当に意外だった」
それからビルトン記者が「子どもとハイテク機器」に注目して取材してみると、米国のハイテク企業やベンチャー企業の幹部の多くが、家庭ではジョブズと同じようなことをしていたことが分かったそう。
ツイッター創設者の起業家エバン・ウィリアムズ、雑誌ワイアード前編集長のクリス・アンダーソン、フェイスブックのアドバイザーをしているアリ・パルトビ・・・。彼らやその妻は、自分の子どもがハイテク機器の画面を見る時間を厳しく制限し、翌日に学校がある晩はまったく使わせなかったり、週末でもアクセスできる時間を禁欲的に制限したりしているといいます。
小さな子どもが「ハイテク機器」に触れることの危険性とは、まず有害なコンテンツにさらされること。例えばポルノや他の子どもたちからのいじめなどです。そして最も怖いのは、こうした機器やネットの世界に依存する「中毒症状」に陥ってしまうことだそう。
ジョブズには4人の子どもがいることが知られており、2人目の妻ローリーンとは3人の男女を育てています。では、ジョブズの子どもたちは、父親が作った機器を使う代わりに、どうしていたのでしょう?
伝記「スティーブ・ジョブズ」を書き、ジョブズの自宅を何度も訪れていたウォルター・アイザックソンにビルトン記者が取材したところ、「スティーブは毎晩、台所の大きな、長いテーブルで食事をしながら、必ず本や昔のことやいろんなことについて子どもたちと話し合うようにしていた」といいます。
「誰も、iPadやパソコンを持ち出すことはなかった。子どもたちが機器類に依存しているような感じは、まったくなかったね」