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ホテル「ぬいぐるみと泊まれるプラン」人気 ベッドのあのスペースに
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ぬいぐるみと日常を過ごしたり旅をしたりして活動することを「ぬい活」と呼びます。今年の新語・流行語大賞にもノミネートされました。ホテルで「ぬいと一緒にお泊り会」という宿泊プランが発売され、人気を集めています。ヒット企画が生まれたきっかけは、ある若手社員の提案でした。
2024年12月、ホテルチェーン「東横イン」(本社・東京)の社内会議で、20代の若手社員が「ぬいぐるみと一緒に宿泊できるプラン」を提案しました。
東横インでは、一部のホテルで小型犬と泊まれるプランはありましたが、「ぬいぐるみと一緒に泊まるプラン」という発想はありませんでした。
東横インの広報担当者によると、このアイデアが出てきたのは、部署・部門を超えた20代の若手社員6人が集まった、「Z世代プロジェクト」というグループの会議です。Z世代など若年層に向けた施策を考える中で、“推し活”を応援できる取り組みを模索していたそうです。
若手社員の思いが形になったのは今年6月でした。大阪府内のホテルで試験的にぬいぐるみと一緒にとまるプランを販売したところ、SNS上で反響が大きく、すぐに店舗に問い合わせや予約が入りました。
「このサービスがあるからココにした!」「一緒に滞在している感がある」という好意的な意見がたくさん寄せられました。
ぬい活プランが予想以上に好評だったため、10月から実施するホテルを拡大。東北から九州の56店舗で採り入れました。すると、3週間で300件以上の予約が殺到。ぬい活プランで泊まれる店舗数も徐々に増やしています。
ぬい活プランでは、ぬいぐるみやアクリルスタンド専用のお泊まりセット(ベッド・ガウン)を通常料金にプラス300円で貸し出します。
ぬいぐるみを大切に思う気持ちを思い、枕や布団、ガウン、ベッドフレームは、実際に東横インで使用しているものと同じ素材で製作しました。ガウンのサイズはSとMが選べます。
担当者は、「ぬいぐるみとの一体感を感じられるよう細部までこだわりました。推しもゆっくりお休みできること間違いなしです」と語ります。
ぬい活の広がりで、ホテル内の設備が思わぬ形でぬい活に活用される事例も生まれました。
意外な形で脚光が当たっているのは、ベッドの脇の「ぬいぐるみが眠るスペース」です。
泊まった人は、まるでぬいぐるみを寝かしつけているようなようすでSNSに画像を投稿しています。
東横インではベッドの横に、小物が置けるスペースがあります。
元々はスマートフォンやテレビのリモコンが置かれる想定で、社内では「マルチストレージ」と呼んでいるそうです。
ぬい活を想定して設けていたスペースではありませんでしたが、担当者は「お客さまのなかには、ステージ代わりにぬいを飾り、写真撮影される方もいました」と話します。
マルチストレージには偶然にも、撮影にうってつけのライトもついています。
担当者は、ぬい活を応援することで、より旅を楽しんでもらいたいと願っています。
「ぬいと一緒にお泊まり気分を味わい、旅行先や遠征先をより楽しんでいただき、思い出に残る素敵な旅をお過ごしいただければ幸いです」
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