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タイ人が「最高にクールなベッドライト」と絶賛……投稿にSNS騒然

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タイ人が「最高にクールでスタイリッシュなベッドルームライト」と絶賛した日本のあかりーー。それはお盆で使う提灯でした。海外客が注目する〝ファンシー〟な日本の仏具。お土産にしても罰当たり(ばちあたり)にはならないのでしょうか? 仏壇仏具の大手に話を聞きました。
《お盆の時期に思い出す...タイ人が『最高にクールでスタイリッシュなベッドルームライト』とお盆の提灯を絶賛していたことを...》
そのときの衝撃について、投稿ではこう続けます。
《説明したくて『This is dead people Obon welcome light』と馬鹿丸出しの英語で言ったら『は?』と言われたことを...》
この投稿には「外国人によく売れているらしいですよ」「冠婚葬祭に使う物って海外の人にはクールに見える」「前にカナダ人が霊柩車を持って帰りたいって言ってました」などとコメントで情報が集まりました。
プカちゃんさんによると、この会話をしたのはコロナ禍前のころ。相手は日本に旅行した経験があるタイ人男性でした。
日本のインテリアなどに興味があるようで、これまでも旅行のたびに「のれん」などを買って帰ってきていました。
ある日、「これ知ってる? すごく欲しいんだ」と見せてきたのが、お盆で使う提灯の画像でした。
タイも仏教国ですが、タイ人男性はその提灯を見て一目惚れ。デザインがスタイリッシュなことと、淡い光がリラックスできる空間作りに持ってこいであることで、「ベッドの両脇に置くにはぴったり」と絶賛していたそうです。
結局、後日、日本に旅行した際にはお盆提灯を見つけられなかったのか、掛け軸や食品サンプルなどを買ってきたそうです。
「お仏壇のはせがわ」で知られるはせがわ東京本社に話を聞きました。
同社のサイトによると、そもそも盆提灯は「ご先祖様が迷わず家に帰れるための目印として欠かせないお飾り」で、お盆の間、飾られることが日本では一般的です。
広報の石田あかりさんによると、同社の銀座本店では海外客の来店もよくあり、線香を見たり、盆時期には並ぶ提灯などを見たりして楽しんでいるそうです。
海外客が「お土産」として買って行きたいと言ったら、どう対応するのでしょうか?
石田さんは「簡単な英語や中国語でどういう用途で使っているかを説明できるスタッフがいます。気に入っていただければ、購入していただいてもかまわないものです」と言います。
盆提灯は、魂をあかりで導き、照らすための「あかりのお供え」。だからこそ、海外客だけでなく日本人にももっと身近に感じてもらえたら、と期待します。
「お盆のための、格式高い、特別なものとして考えていただくよりは、むしろ普段の生活からの地続きとして、朝、ご先祖に手を合わせる、という具合に供養が日常に溶け込んだものになるとうれしいのです」
最近は、日本の住宅事情に合わせて、供養関連の商品は、よりコンパクトでデザイン性が高いものも増えており、盆提灯も、お盆に限らずインテリアとして飾ることができるスタンドライト形式や、USBで充電できるものも人気とのこと。
古くは、盆提灯は家族を亡くした方へ、周りの家から贈られる「あかりのお供え」だったということを考えると、〝お土産〟になることも、あながち間違いではなさそうです。
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