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「たすけてブーブー」で覚えてね 絵本で知る車中置き去り時のSOS

実現までの経緯を発案者に聞きました

絵本「ぶたすけのラッパ」の一場面
絵本「ぶたすけのラッパ」の一場面 出典: ポプラ社提供

目次

 子どもが車中に置き去りにされてしまう事故をなくしたい――。そんな思いで6月に始動したのが「たすけてブーブー」プロジェクトです。「パンどろぼう」シリーズの人気作家と一緒に絵本をつくり、自動車会社10社からの協賛も得ています。実現までの経緯を発案者に聞きました。

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絵本「ぶたすけのラッパ」


 6月4日にポプラ社から発売された絵本「ぶたすけのラッパ」。

 保育園に通う「ぶたすけ」は、鼻を押すと頭の上のラッパから「ブー!」と音が出る男の子です。

 お絵描き中に「ブー!」、食事中に「ブー!」、そしてお昼寝中も「ブー!」。

 「ぶたすけくんのラッパはくるまのクラクションみたいで、みんなびっくりしちゃうわ」と言われても、おかまいなしです。

 ある日、保育園のバスのドアが開いていることに気づいて、友達と中に隠れます。

 すると、外からドアを閉められてしまって……というストーリーです。

 絵を担当したのは、「パンどろぼう」シリーズ(KADOKAWA)などで知られる柴田ケイコさん。

 作者は、たすけてブーブープロジェクトの発案者・やまざきひろしさんです。

絵本「ぶたすけのラッパ」
絵本「ぶたすけのラッパ」 出典: ポプラ社提供

発案者に聞きました


 広告会社でクリエイティブディレクターやコピーライターとして働き、2人の男の子の父であるやまざきさん。

 幼稚園などの送迎バスには、置き去り防止の安全装置取り付けが義務化されています。

 しかし、万が一閉じ込められた時にSOSを伝える方法を、子どもたちには知っておいてもらいたい。

 そんな思いで、プロジェクトを発案したそうです。

 「『クラクションを鳴らして助けを求めよう』と言われても、どこにあるのか、どうやって鳴らすのかを知らない子たちもいると思ったんです」とやまざきさん。

 まずは、子どもにとって身近なものである絵本を制作することに。

 絵については、やまざきさん自身もファンである柴田さんに依頼することにしました。

 「大人にも愛されて、キャラクターがいきいきした絵本を作られている柴田さんに、ぜひ描いてもらいたかったんです」

 やまざきさんは2018年に、職場の仲間と「答えのない道徳の問題 どう解く?」という本を出版。

 その時にお世話になったポプラ社を通じて、柴田さんにつないでもらったそうです。

たすけてブーブープロジェクトの発案者・やまざきひろしさん
たすけてブーブープロジェクトの発案者・やまざきひろしさん

「自分もやってみたい」と思ってほしい


 絵本を作るにあたって、やまざきさんが最初に考えたのが「ぶたすけ」という名前。

 クラクションのように日頃からブー、ブーと言っていても違和感がない「ぶた」で、ピンチに陥った時に仲間を「助」ける。

 「ぶた」と「助」をくっつけて、ぶたすけに決まりました。

 悪い人が誰もいなくても、いろんな要因が重なって事故が起こることを、子どもたちに知ってほしい。

 ぶたすけがヒーローになることで、「自分もやってみたい」と思ってほしい。

 そんな考えを柴田さんに伝え、何度もディスカッションしながら、ストーリーを決めていったそうです。

 「頭の上にラッパが乗った魅力的なデザインも、柴田さんのアイデアです」

絵本「ぶたすけのラッパ」の一場面
絵本「ぶたすけのラッパ」の一場面 出典: ポプラ社提供


 昨年末までにほぼ完成していましたが、特に注意が必要な夏場に合わせて6月に発売しました。

 絵本の刊行に合わせて、ぶたすけと一緒に「たすけてブーブー」を練習できる楽曲動画を、特設ページやSNSで配信。

 キャッチーな曲と動きで、クラクションの鳴らし方を覚えることができる動画です。

 また、自動車会社10社の協賛も決まり、各社がSNSでプロジェクトをPRしたり、絵本を購入して幼稚園などに寄贈したりといった取り組みをしています。

 今後は、幼稚園や保育園でのイベント開催や、官公庁とのコラボなども実現させたいといいます。

 「『ぜひ、うちも参加したいです』と、いろんな方々が集まって一緒に取り組んでくださっています。みんなで協力することで解決につなげていきたいです」

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