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ジャポニカ学習帳の表紙、写真からイラストに変更 発売55年で刷新

ショウワノートの担当者を取材しました

左が過去に販売されていたジャポニカ学習帳の表紙、右が新しい表紙の一例
左が過去に販売されていたジャポニカ学習帳の表紙、右が新しい表紙の一例 出典: ショウワノート提供

目次

 1970年に発売された「ジャポニカ学習帳」が11月に大幅リニューアルを実施します。長年にわたって昆虫や花の写真を使ってきた表紙をイラストに変更するのです。狙いについてショウワノートの担当者を取材しました。

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過去に販売されていたジャポニカ学習帳の表紙
過去に販売されていたジャポニカ学習帳の表紙 出典: ショウワノート提供
過去に販売されていたジャポニカ学習帳の表紙
過去に販売されていたジャポニカ学習帳の表紙 出典: ショウワノート提供

累計14億冊販売のロングセラー


 1970年の発売以来、累計14億冊を販売しているジャポニカ学習帳。

 学習百科としての読み物付録がついていて、表紙には写真家の故・山口進さんが撮影した昆虫や花の写真を使ってきました。

 シンボルカラーである緑を使ったデザインは、商品の形に商標権を認める「立体商標」としても認められており、抜群の知名度を誇ります。

 そんなジャポニカ学習帳が11月に大幅リニューアルを実施します。

 大きく変わるのは「表紙の写真をイラストに変更する」という点です。

 「表紙については『共生』をテーマにした親しみの湧くイラストに変更します。単なるデザインの変更ではなく、詰め込み教育から発想を育む教育へと移行する現在において、子どもたちの学びをサポートするために進化しようという狙いがあります。『共生』は山口さんの生涯の撮影テーマでもありました」

 そう話すのは、ステーショナリー事業部の岸田愉美さんです。

ジャポニカ学習帳の新しい表紙の一例
ジャポニカ学習帳の新しい表紙の一例 出典: ショウワノート提供

テーマは「共生」


 たとえば、「バケツランとシタバチ」のイラストでは、花と昆虫が互いに影響し合いながら生きる姿を表現。

 共生のエピソードを通して動植物の多様性に触れ、自然への興味や関心を深めてもらいたい。

 そして、自然界の動植物が共生するように、多様な人々が互いを尊重し、調和して暮らすことの大切さを知ってもらいたい。

 そんな思いを込めたデザインになっているそうです。

 「植物などに顔をつけてストーリー性をもたせることで、子どもたちの好奇心を一層刺激するデザインとなっています。大人が子どもたちの『好き』という可能性を奪ってほしくない、という願いを込めています」

 表紙のアートディレクションを担当したのは、デザインチーム「minna(ミンナ)」。

 イラストを担当したのは、絵本「パンダ銭湯」などで知られるユニット「tupera tupera(ツペラ ツペラ)」です。

 minnaから「最適な作家」として紹介されたのが、tupera tuperaだったそうです。

 「『プロジェクトの本質をわかりやすさと楽しさをもって伝わりやすくする表現力』『歴史ある想いを引き継ぎつつ、軽やかにポップに表現してくれるスタンス』『何十年先の子どもたちにも響く普遍的で魅力のある絵の力』という点で私たちも賛同し、tupera tuperaさんにお願いしました」

「バケツランとシタバチ」のイラストを採用した表紙
「バケツランとシタバチ」のイラストを採用した表紙 出典: ショウワノート提供

表紙のシンボルカラーも変更


 55年という節目に合わせて、検討に2年、制作に3年かけたという今回のリニューアル。

 写真がイラストに変わることに加えて、「表紙のシンボルカラーである緑を教科別に色分けする」という点も大きな変更です。

 「国語=赤、算数=青といったように、教科別のイメージカラーに色分けすることで、より直感的に使えるようにしました」

 シンボルカラーとして定着している緑ですが、発売時は紺色で、そこから徐々に緑色に変わった経緯があるとのこと。

 自由帳や連絡帳には、新しいジャポニカグリーンとして、生命の進化をイメージさせる青緑を採用したそうです。

 また、読み物付録の学習百科についても現代風にアップデート。

 子どもたちが自分で選べない内容だからこそ、伝えたい内容を吟味したそうです。

 大幅リニューアルを前に、岸田さんはこう話します。

 「表紙が写真ではなくなったことに、驚きと寂しさを感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、『自然を愛する心を育んでほしい』『子どもの興味の入り口でありたい』という想いは変わりません。子どもたちにたくさんの学びを届けられれば最高に幸せです」

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