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ハンディファンやモバイルバッテリーの出火 増える夏場…対策は?

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異音がするハンディファンから出火したり、車内に置いていたモバイルバッテリーから出火したり――。夏場にそんな危険な事故が増えるとして、独立行政法人の製品評価技術基盤機構(NITE)が注意を呼びかけています。先日は、JRの電車内で乗客のモバイルバッテリーが出火したばかり。ユーザーは、どのような点に注意すればいいのでしょうか。
「モバイルバッテリー、ハンディファン…充電して使える製品は熱に弱く、夏に事故が多くなります」
「車内保管、異常放置は絶対NG」
X(旧Twitter)でそんな注意喚起をしたのは、製品評価技術基盤機構のNITEです。
2020年から2024年までの間に、リチウムイオン電池を使った製品による事故はNITEが把握しているだけで1860件ありました。このうち8割以上が火災に至ったといいます。
発生月別に見ると、8月が最も多いといいます。なぜ8月に事故が多いのでしょうか。
リチウムイオン電池は、高温の環境に置かれると、熱の影響で異常な反応が起きて発熱・破裂・発火するおそれがあるといいます。直射日光の当たる場所や暑い日の車内などの高温下に放置することは危険です。
実際に、車内に放置した製品による火災も起きています。
2023年の熊本県の事例では、自動車内に置いていたモバイルバッテリーが焼け、火事になりました。
モバイルバッテリーに内蔵されているリチウムイオン電池が異常発熱して発火したと推定されています。
リチウムイオン電池は、モバイルバッテリーだけでなく、様々な製品に使われています。
電動工具、掃除機、電動アシスト自転車のほかにも、ワイヤレスイヤホン、ワイヤレススピーカー、ポータブル電源、ハンディファンといった身近な製品もあります。
酷暑で使う人も増えているハンディファンによる火災も起きています。
2019年に埼玉県で起こった火災では、ハンディファンから異音がして出火しました。扇風機に内蔵されていたリチウムイオン電池がショートして異常発熱したことが原因だと考えられています。
NITEは、事故を防ぐためには、正しく購入する、正しく使用する、正しく対処する、という三つのポイントが大切だと呼びかけています。
安価で入手しやすい「非純正バッテリー」で火災を伴う事故が多く発生しているため、購入するときは、連絡先が確かなメーカーや販売店から購入することを勧めます。
購入前や、購入した後に、その製品がリコール対象ではないことを確認することも大切です。
7月20日にはJR山手線の車内で、乗客のモバイルバッテリーが燃える火災がありました。朝日新聞の記事によると、このバッテリーがリコール対象製品だったことが警視庁への取材でわかったとのことです。
消費者庁によると、このバッテリーは「cheero Flat 10000mAh」という商品名で、2023年6月15日からリコールが実施されています。この製品では2021年度以降に計16件の火災が発生しています。
およそ3万9300台が販売されましたが、今年5月時点で回収率は1割にとどまっています。
リチウムイオン電池を使うときは、高温下に放置するなどして熱を与えないことや、強い衝撃を与えないことなど、正しい使い方をすることが必要です。
充電時や使用時に異常を感じたら、すぐに使用を中止しましょう。
万が一発火した場合は大量の水で消火し、可能な限り水没させた状態で119 番通報するよう呼びかけています。
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