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ネットの話題

「私62歳、まだ使ってる…」小学生で購入したレトロな裁縫箱が話題

メーカー「この上なく嬉しい」

カリノさんの裁縫箱の中身。中身を適宜入れ替えながら使い続けているそう(一部モザイク加工)=本人提供
カリノさんの裁縫箱の中身。中身を適宜入れ替えながら使い続けているそう(一部モザイク加工)=本人提供

目次

SNSで何かと話題になることも多い「裁縫箱」。「私62歳、まだ使ってる」――。そんな言葉とともに、小学生の頃から使い続けている裁縫箱の写真のポストが話題になりました。投稿した女性に、50年近く人生をともにする裁縫箱の思い出話を聞きました。

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9万もの反響

昭和38年(1963年)生まれのカリノトウコさんは5月、こんな投稿をしました。

《小学校で購入した裁縫セット、
私62歳、まだ使ってる…

昭和のだから裁ち鋏のカバーや指抜きが本革製。
まち針のお花の裏にひとつひとつ名前が書いてある》

一緒に投稿された写真には、切り絵風にあしらわれた朝顔がデザインされた裁縫箱。
投稿には9万件以上の「いいね」がつき、「大事に使ってこられたことがわかる」といった感想や、「私もまだ使っている」と大人になってからも使い続けられているかつての「教材」の写真が続々と投稿されました。

中身を入れ替えながら50年

カリノさんは「長く裁縫箱を使い続けているという投稿をたまたま見かけ、『うちにはもっと古いのがあるわ』と気軽に投稿しました」。

普段は2階の和室に置いてある裁縫箱ですが、ボタン付けをするためにたまたまリビングに持ってきていたため、その場で何げなく写真を撮り、投稿。思わぬ反響がありました。

この裁縫箱を小学校高学年の頃に学校教材として購入してから、日常的に利用しているというカリノさん。ボタン付けや裾上げなどでお世話になっているそう。

箱の中身も、当時から使い続けけているものも多く、布を切る裁ちばさみやまち針、針刺しなどは50年ものです。
一方、糸切りばさみは切れが悪くなったことから、買い替え。中身を少しずつ調整しながら、いまに至ります。

裁縫箱の外観と中身=カリノさん提供
裁縫箱の外観と中身=カリノさん提供

消去法だったけどいまは

カリノさんは「実は消去法だったんです」と振り返ります。

学校での一括購入で示された箱のデザインの選択肢は二つ。その中からアジサイ柄を選びました。
「いつか買い替えるやろ」と消去法で選んだデザインでしたが、「いつの間にかこんな長く
使っていました」

昔からレトロなデザインが好きだったというカリノさんは、食器やセルロイドのハンガーなど、昭和30年代のものをいまでも家で使っています。

そんなカリノさんにとって、小学生だった当時、この裁縫箱のデザインは「今風」だと感じてあまり好みではなかったそう。ですが、現在のカリノさんにとっては「許容範囲に入ってきた」と笑います。「レトロで可愛く見えてきました」

イチゴ柄のパジャマ

これまで裁縫道具を使って作ったもので印象深いのは、10代の頃に作ったパジャマ。
洋裁が得意だった母親と一緒に、イチゴ柄の「サッカー」というでこぼことした質感で、サラッとした肌触りの生地で作りました。

「学校でできるところまでやって、残りを家でやっていました。ほとんど母に縫ってもらって完成したものですが、難しかったし大物だったというのもあって、よく覚えています」

カリノさんの人生に伴走してきた裁縫箱は、今後もこれまで通りお世話になるそうです。

製造メーカーは「誇りに思う」

ところで、この裁縫箱、裏面に「Showa」の文字があるのだそう。

調べると、現在も学校向けに裁縫箱を販売している数社の中に「昭和教材」(広島県廿日市市)という、学校用教材の製造販売をしているメーカーがありました。

昭和教材に話を聞くと、「弊社の商品で間違いございません」。

1973年前後の期間に、カリノさんが使っているものを含む二つのデザインの裁縫箱を全国で販売していたそう。

カリノさんが50年以上、同社の裁縫箱を使い続けていることについて、昭和教材の担当者は「長くご愛用いただき、この上なく嬉しく思っております。教材業界を続けていて良かったと誇りに思うことができました」と語っています。

当時のカタログ=昭和教材提供
当時のカタログ=昭和教材提供

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