IT・科学
勝手に合鍵防止へ「鍵にカバーつけて」注意喚起に「知らなかった」

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【注意喚起】初めての一人暮らしを始めた方へ。鍵には、写真のようにキーカバーをつけるのを強く推奨します。鍵に書かれている鍵番号で、合鍵がカンタンに作れてしまうからです―。
そんなSNS投稿が注目を集めました。投稿した人に話を聞きました。
【注意喚起】初めての一人暮らしを始めた方へ。
— 痴漢抑止活動センター|痴漢対策|バッジ無料配布中。プロフ見てね (@scbaction) April 2, 2025
鍵には、写真のようにキーカバーをつけるのを強く推奨します。鍵に書かれている鍵番号で、合鍵がカンタンに作れてしまうからです。
自分が知らぬうちに合鍵を作られ、自宅に侵入された事件が多数起きています。
安全管理のためにキーカバー必須です pic.twitter.com/lIhdjZfOc9
実物の鍵がなくても、合鍵は作れてしまうという指摘に、「これは知らなかった。周りの若い子に勧めます」「鍵カバーって、そういう役目やったんや。可愛いだけじゃなかった」など、防犯上の盲点に気づかされたという声が出ています。
投稿したのは、一般社団法人痴漢抑止活動センターのX(旧ツイッター)アカウントです。
電車内での痴漢被害が多発していることから、教育を通じて誰もが安心安全な車内を実現し、性犯罪を許さない社会の実現に寄与することを目的として2016年1月に設立された団体です。
投稿した代表理事の松永弥生さんにお話をお伺いしました。
松永さんは、日々様々なニュースに接する中で、鍵の情報を悪用して合鍵を作る事案があることを知り、注意喚起を思いついたといいます。
合鍵を作るには、必ずしも実物の鍵が必要なわけではなく、鍵に刻印されている番号とメーカーがわかれば、特殊な鍵を除き、インターネットでも複製の鍵を注文できるといいます。
勝手に作った合鍵が使われた事件は、マスメディアでもたびたび報じられています。
〝同僚女性の自宅の鍵を複製し、男が侵入する事件が福岡市内で起きた。鍵に刻印されている番号から、インターネットで複製の鍵を注文していたとみられる。容易に複製できる利便性を悪用する事例は後を絶たず、県警は防犯対策を呼びかけ、業者も対策に乗り出している〟(2023年10月12日付朝日新聞福岡版)
同僚女性宅に侵入した男性容疑者を、地検が邸宅侵入や住居侵入、県迷惑行為防止条例違反(ひわいな行為の禁止)の罪で起訴した、という記事です。手口についても取材しています。
〝男は女性宅の鍵をどのようにして入手したのか。捜査関係者によると、男は「同僚同士でキーホルダーの話題となり、女性が取り出した鍵の番号やメーカーを記憶した」と供述。インターネットで複製の鍵を注文したという〟
合鍵による侵入はどれくらい起きているのでしょうか。
投稿したことで、新たな学びもありました。
投稿したのは、番号部分を隠すカバーの写真(カバーがかかっていない部分はモザイク処理)でしたが、鍵の溝の位置や深さも合鍵づくりにつながる情報だとして、「全体を覆うカバーのほうが良い」と指摘がありました。「今回投稿したことで、いろいろな知見をいただけて良かったなと思いました」と話します。
投稿を見た人が引用リポストし、様々なメッセージも寄せられました。
「防犯のため鍵にはキーカバーを」
「鍵カバーは鍵全体を隠せ!!」
「今年から鍵を持たせて登校する児童にも教えてほしい。公園や習い事でランドセルから離れるとき、鍵が丸出しになっている子をよく見かける。子どもを守る知恵はどんどん普及させてほしい」といった呼びかけも広がりました。
今回の投稿は102万回表示され、いいねも1万4千に達しています。また、リポストが1万あって、「それだけ多くの方が、『これは広げなきゃ』と思って下さった結果なのでは」と分析していると言います。
鍵カバーはホームセンターなどのほか、インターネット上でも様々な商品が手頃な値段で販売されています。松永さんは、「鍵カバーの必要性をぜひ周囲の方々にお伝えください。そして、みなさんも防犯のために鍵カバーを使ってください」と呼びかけています。
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