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HKT48渋井美奈さん 憧れの松岡はなさん超える「最高かよ」を
「KSGKちゃん」と呼ばれるけど…意外な一面も

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「KSGKちゃん」と呼ばれるけど…意外な一面も
福岡を拠点に活動するHKT48に、ライブでひときわ明るい空気とエネルギーを感じるメンバーがいます。6期生の渋井美奈さん(16)。昨年卒業した松岡はなさん(25)にあこがれてグループに加入し、最近は松岡さんの代表曲「最高かよ」のセンターを務める機会が増えています。メンバーに「ウザ絡み」をしたり、ふざけたりしていることが多い印象ですが、インタビューすると意外な一面をのぞかせました。
「最後の最後までおっきい声出せますか」
「まだまだ小さいですよ。もっともっと声出せますか」
4月6日、広島市で開かれたSTU48とHKT48、NMB48の「特別対バン」。
HKT48のライブパートの終盤、「最高かよ」のセンターポジションに立つ渋井さんが声を張り上げてあおり、会場の盛り上がりは最高潮に達しました。
渋井さんは小学生のころからAKB48のファンでした。HKT48を知ったのは2018年、父親が、福岡市で開かれたHKT48のコンサートに連れていってくれたのがきっかけでした。
「そのころはAKB48 とHKT48の違いも分かっていなかったのですが、父が『予習』として、はなさんがセンターの『最高かよ』のミュージックビデオの動画を見せてくれて、それを一目見て、『私、この子が好き』って。はなさんが推しメンになりました」
当時はオーディションの応募資格の年齢に達していませんでしたが、「絶対楽しそう、一緒に活動したい」という思いを募らせたそうです。
2021年、渋井さんが中学1年生の冬、HKT48の6期生の募集がありました。
部活に打ち込んでいたことや、アイドルになるのが恥ずかしい、といったためらいもありましたが、「チャンスがあったのにオーディションを受けず、他の方が入って楽しそうにしているのを見たら絶対悔しい」と決意、親しい友人にも黙って応募し、合格しました。
「入ってからHKT48のことがより好きになりました。メンバーの仲が良いグループというイメージでしたが、正直スタッフさんも含めてここまで仲良いとは思わなくて…」と印象を語ります。
その中でも、松岡はなさんは一貫してあこがれの存在でした。「私が入った時の高すぎる目標は、『最高かよ』の出演メンバーになること、そしていつかセンターに立つことでした。でもはなさんがいる時は、はなさんの『最高かよ』を見たいとずっと思っていました」
昨年4月、松岡さんが同年秋に卒業することを発表します。渋井さんは「こんなに卒業が早いとは思わなかった。卒業のことを考えるだけで、涙が出ていました」
しかし、次第に意識に変化が訪れたそうです。
「はなさんがいなかったら寂しいけど、今度は私がはなさんのような人、ファンの皆さんを楽しませることができる存在になれたら…」
松岡さんの卒業前、ライブの曲目などを考えていたマネジャーに、「『最高かよ』は、次はだれがセンターか決まっていますか」と尋ねたそうです。
「『最高かよ』はこれからも披露される。他の人がセンターに立つチャンスがあると思った時に、私はこのチャンスを逃したくないと思いました」
9月にあった松岡さんの卒業コンサート。ステージ上で松岡さんに抱きしめられたとき、「『最高かよ』を、これから、やってくれるんでしょ」と告げられたそうです。
「一番いい姿を見せたい、はなさんを超える勢いで『最高かよ』を歌いたい」
そんな思いから、過去の動画をいくつも見て、あおりやパフォーマンスを研究したそうです。
渋井さんが大きなステージで『最高かよ』のセンターを初めて務めたのは昨年11月、HKT48の13周年記念コンサートでした。
「この時は気合が入りすぎて、声が高くなってしまった」と渋井さん。メンバーのアドバイスを踏まえ、4月の対バンではあおりの声の出し方を変えました。「『滑舌がよくなった』とファンの方に言ってもらえました」と振り返ります。
メンバーが好き過ぎるゆえか、しょっちゅうしゃべりかけたり、甘えたりする様子が、ネット配信などでよく見られます。
対バンが終わった日の夜、先輩の栗原紗英さん(28)、市村愛里さん(24)と一緒に配信した際も、疲れや眠気から配信を終わらせたい先輩に、ずっとしゃべりかけて、ウザがられていました。
そんな様子から、メンバーやファンからから愛情を込めて「KSGK(クソガキの意味)」と呼ばれています。
渋井さん自身は、「紗英さん(栗原さん)は絡みやすくて、気づいたら、すごく話しかけるようになって、一緒にお出かけもするようになりました。そこから『KSGKちゃん』と言われるようになり、周囲にも広がった感じです。先日は3人(栗原さん、市村さん、渋井さん)で韓国を旅行してきました」と笑います。
「ファンの方もKSGKぶりを楽しみながら、優しく見守ってくださっています。普段から人見知りなうえ、加入当初は反抗期で、ファンの方とのお話会でも塩対応(そっけなく対応すること)をしてしまったこともあるのですが、今は、心からありがたいと思っています」
ふざけることが多いからこそ、意識していることがあるそうです。
「『ふざけるけどちゃんとやるよね』と思われたい。おちゃらけているうえにダンスなどが出来ていないと思われるのが嫌なので、やれるところまでめいっぱい練習するようにしています」
対バンで、STU48メンバーと計5人でコラボしたユニット曲は、出演予定だった栗原さんが体調が悪くて声が十分に出ないため、2日前に急きょ渋井さんの出演が決まりました。この時も、「半分遊びのつもり」(渋井さん)で事前に振り付けを覚えていたため、すぐに対応できたそうです。
同期の梁瀬鈴雅さん(18)は、一番相談しあう関係だそうです。
「性格がとても合って、私のことを一番理解してくれている存在だと思います。ただ、アイドル活動への考え方は互いに違っていて、メンバーと一緒にいて話していたい、一緒でないと寂しいという私のことを、『一人でも大丈夫だから、もう大人になりなよ』と突き放してくれたりします」
ときに「姉妹げんか」とメンバーから言われるほど、劇場公演のトークで言い合いにあることも。
ただ、アイドル活動への共通点は感じていて、「私は本気で楽しんで、ちゃんと成果を出したい。当然のことですが、ちゃんと仕事として取り組み、ファンの皆さんのことを大事にして、楽しんでもらいたいと思う。それは、鈴雅も基本的に一緒です」と話します。
昨年4月の渋井さんの生誕祭では、梁瀬さんが手紙を書いて、思いを朗読しました。
<今まで何度美奈に振り回されてきたかわかりません。それでもそんなところが面白くて、飽きなくて、すべてが美奈のいいところなんだろうなと思います。(中略)これからも末永くライバルでいてください>
そんな渋井さんに今後の抱負を尋ねました。
「もっと多くの方にHKT48を知ってもらいたい。私もそうでしたが1回でもコンサートに行ったら絶対に楽しいという気持ちになるから、多くの方に来てもらい、良いグループだと思って、また来たいと思っていただけるようになりたいです」
「HKT48が主催以外のライブや外部のイベントは、知ってもらえるチャンス。だからこそ、あおりもパフォーマンスも、メンバーが楽しんでいるっていうのを存分に出したいです」
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