ネットの話題
使うたびに「精神」をすり減らす消しゴム いずれ「神」になれます
考案者に聞きました

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考案者に聞きました
「精神をすり減らす消しゴム」が発売され、SNS上で注目を集めています。「精神」という漢字の形をした消しゴムで、使うたびに文字がすり減り、上手に半分まで到達すると「神」になるというアイデア商品です。考案者に聞きました。
今月5日、雑貨クリエイター・もときれおがさんがX(旧ツイッター)に、こんな投稿をしました。
「これは、精神をすり減らす消しゴム。精神をすり減らし続けると神になります」
添付された画像には、「精神」という漢字の形をした消しゴムが写っています。
さらに「精」の文字を使い続けてすり減らすことで、最終的に「神」となる様子も写っています。
この投稿に対して、「神に近づいてるってこと?」「神になるまで耐えられればいいですが」といったコメントが寄せられ、いいねは5万を超えています。
これは、精神をすり減らす消しゴム。
— もとき れおが / 雑貨クリエイター (@reoga_motoki) April 5, 2025
精神をすり減らし続けると神になります。 pic.twitter.com/VHkXJsFx7M
「普段から『世の中を少し楽しくする』ことをテーマに、ものづくりに取り組んでいます。今回のアイデアも、その延長線上で生まれました」ともときさん。
千葉工業大学大学院に在籍していた時に「鳥のうんちシール」をヴィレッジヴァンガードで商品化。
鳥の糞をリアルに再現したシールで「これが貼ってある自転車をわざわざ選んで盗もうと考える人はいないはず」というアイデアから生まれたグッズでした。
大学院卒業後は、総合文具メーカーの「プラス」に入社し、使っていくうちに消しゴムが富士山になっていく「エアイン 富士山消しゴム」を考案。
現在は独立して「デザインオフィスMONT」を立ち上げ、はフリーのクリエイターとして活動中です。
「言葉遊び」をテーマに、ダジャレや比喩といった表現に注目する中で生まれたという「精神をすり減らす消しゴム」。
すり減らし続けると「神」になるというアイデアは、発案当初は想定していなかったそうです。
「CGで再現してXに投稿した際、フォロワーさんが『神』になると教えてくれたんです。商品化にあたって『神経』と『精神』で迷っていたのですが、『精神をすり減らし続けると神』になるということで、『精神』にしました」
Xの投稿には、消しゴムがすり減っていく様子が写っていますが、途中まではひたすら使って削っていたそうです。
「そのうち、文字通り精神がすり減ってきてしまい、途中、カッターでズルをしました(笑)」
1個税込み550円で販売していますが、商品化するまで苦労の連続だったといいます。
「空洞が多いとすぐに崩れてしまって実用に耐えられません。そこで、文字としての視認性を保ちつつ、空洞が少なくなるようにデザインしました」
一番大変だったのが、製造してくれるメーカー探し。
国内メーカーは費用が高かったため、展示会に足を運んで、グーグル翻訳を使って中国のメーカーと直接交渉したそうです。
当初は「最低5000個から」と言われたものの、お願いして1000個で製造してもらうことに。
現時点で在庫800個くらいが部屋を圧迫しているといいます。
「完全に自分の自己満足で作った作品で、正直、これで儲けようとは思っていません。せっかく作ったからには、できるだけ多くの人に楽しんでもらいたいと思っています」
話題になったことについては、こう話します。
「自分の作品に共感してもらえるのは、素直にとても嬉しいです。神から消して『精』を残したり、神をくりぬいてネコにしたり、申(サル)にしたり、想像もしなかったような消し方を考えて、そこに意味を見いだしている方がたくさんいて、人の想像力は無限だなと感じました」
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