全5話すべてがオリジナル脚本で、舞台設定も制作するアニメスタジオも全話で違うという異色のTVアニメ『未ル わたしのみらい』。4月2日から放送が始まりますが、製作・プロデュースを担うのは、トラクターなどで有名な「ヤンマー」です。試写会では出演した声優の朴璐美さん・依⽥菜津さんが見どころを語りました。
トラクターや「ヤン坊マー坊天気予報」でおなじみの会社が、なぜ畑違いのアニメをつくったのか。
エグゼクティブプロデューサーを務めたヤンマーホールディングスの長屋明浩さんは「ヤンマーブランドを世界に向けて発信すると同時に、ただのPRアニメではなくアニメ史に残る作品を目指す意気込みでチャレンジしました」と語りました。
その本気ぶりは、複数社が参加する製作委員会方式をとらず、企画も脚本も完全オリジナルで、作り手たちの芸術性や個性を生かして各話ごとにアニメスタジオを変えるといった製作体制にも現れています。
総合プロデューサーに、機動戦士ガンダムシリーズを手がけた植田益朗さんを招きました。
ロボットアニメでありながら、主要キャラクターであるロボット「MIRU(ミル)」は、武器の代わりに人間を助ける重機を背負った存在。その造形にはヤンマーのデザイン部が全面的にかかわっています。
長屋さんは「いま世の中は災害や紛争などで不安と閉塞(へいそく)感に満ちていますが、この作品を通じて未来は自分たちの手で変えられる、つくれるということを発信したい」とも語りました。
試写会では、スペースデブリを回収する老作業員と若い女性職員が緊急事態に立ち向かう第1話「スターダストメモリー」を上映。
続いて第5話「待ってて、今行く」でイズミフ役を演じた朴さんと、アイル役を務めた依⽥さんが登壇し、各話のダイジェスト映像を見ながらトークを繰り広げました。
依田さんは「私たちが演じた世界(第5話)は荒廃し雪に埋もれた地球でしたが、宇宙や熱帯雨林が舞台になっている回もあって驚きました」と話します。
朴さんは「最初はヤンマーさんの製作だと知らずに参加しましたが、さすが『大きなものから小さなものまで』手がける会社らしいなと思いました」と個性あふれる作品の違いにあらためて驚いた様子でした。
物語は、環境問題や分断と紛争、AIと人間の共生など、時空を超えて様々な問題に直面する人々が葛藤しながらロボット「MIRU」との出会いを通じて再生の一歩を踏み出す姿を描いています。
登場人物も作品のトーンや表現方法もそれぞれに異なり、唯一の共通キャラである「MIRU」さえ姿が変わります。
依⽥さんは「他の回の出演者さんと話すと、『うちのMIRUはこんなだったよ』『そもそもMIRUって何なの?』と話題になるほど、5本ともまったく違う魅力にあふれていると感じました」と語ります。
「バタフライエフェクトが作品のキーワードになっているように、登場人物の小さな一歩が、どんな変化をもたらしていくかをぜひみて欲しいです」とアピールします。
朴さんは「夢のあるとても力強い作品だと思います。作品にふれた一人ひとりが自分たちの未来を考え、そのために何が必要なのかを考えるきっかけにしてもらえれば」と見どころを語りました。
放送は4月2日(水)から。MBSで毎週水曜26:30~、TOKYO MXで毎週木曜22:00~。配信でも順次放送予定。詳細は
公式サイトで(https://www.miru-anime.com/)