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少子化の〝女性原因論〟に「強い違和感」 偏る負担への無理解、なぜ
「女性の痛みや負担への無理解、矮小化することこそが問題」

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「女性の痛みや負担への無理解、矮小化することこそが問題」
2024年に生まれた子どもの数は72万988人(速報値)と、9年連続で減り、過去最少となったことが2月、厚生労働省から発表されました。貧困問題などに向き合うライターのヒオカさんは、少子化は女性の自立やそれに伴う高齢出産などを原因とするような「女性原因論」が目立つと指摘。「強烈な違和感を覚えずにはいられないということを伝えたかった」と語ります。
昨年、日本保守党の代表・百田尚樹氏が、少子化対策をめぐって、「あくまでSFの話」と前置きした上で「女性は18歳から大学に行かさない」「25歳を超えて独身の場合は、生涯結婚できない法律にする」「30超えたら子宮摘出手術をするとか」と発言したことや、自民党の麻生太郎氏が「(少子化の)一番大きな理由は出産する時の女性の年齢が高齢化しているからです」と発言したことをヒオカさんは問題視しているといいます。
《政治家の少子化に関する過去の発言を見ても、女性原因論という思想は、この社会にしっかりと根付き、息をしている》
《妊娠・出産を経験しえない男性が女性の身体を語り、平然と女性がタイムリミットを知らず、無知で悠長に構えているから少子化になっているのだ、という思想に基づく発言を百田氏や過去にも政治家がしていることに、激しい憤りを覚えずにはいられない》
さらにヒオカさんは、医療的ケア児のケアが母親に偏っていることや、子育てをする人たちを「子持ち様」と揶揄する日本の社会についても疑問を投げかけます。
《子どもを産めばあんな目に遭うぞ、そんな見せしめに遭っているような場にこの社会で幾度となく遭遇する。社会総出で、子どもを産まないよう追いやっているようなものではないか》
そしてこう続けます。
《そうした現実を踏まえた上で、子どもを授かり育むことの負担を圧倒的に負わなくていい男性が、女性に産めと平気で言えてしまうことに、強い拒否感を感じざるを得ない》
先日、参政党代表で参議院議員の神谷宗幣氏が、Xで「特に子供が小さいうちはお母さんだと思っています」「共働きの奨励ではなく、お母さんが子育てに専念できる環境をもっとしっかり作るべきだと強く感じた」と発言し、波紋を広げたことについては「女性の仕事が軽視され、育児の主体は母親という固定観念はいまだに潜在意識にこびりついている」と指摘しています。
《決して男性に生理や妊娠・出産の苦しみがないこと自体を責めているわけではない。女性の痛みや負担への無理解、矮小化することこそが問題だと思っている》
withnewsでは、これまで、子育てに関する企画や連載を通じて、いびつな性別役割はもとより、子育て世代の悲喜こもごもを伝えてきました。
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