グルメ
「味が一発で決まる」冬の食卓で人気 〝鍋つゆの素〟9種を試食
寒い時期、スーパーの棚には「鍋つゆの素」が数多く並ぶ。私はこれまで、一般のご家庭における「普段の鍋」を取材してきたが、鍋つゆの素は「味が一発で決まっていい」「失敗の心配がなくてうれしい」といった声がよく聞かれ、その人気を実感していた。今回は定番の商品から、ちょっと気になる味わいのものまで9種類を、withnews編集部のみなさんと試食してみたい。(フードライター・白央篤司)
「コクのある味わいでシメまでおいしい」がコンセプトで、鶏がらと豚骨ベースのスープに米味噌と豆味噌を合わせてある。
公式サイトによるとシメはラーメンで、バタートッピングがおすすめとのこと。
「この鍋にはこれ!」と決めてくれた方がラクという人も世の中多い。アレンジレシピやおすすめのシメ方、公式サイトにはヒントが載ってること多いですよ。
「10種類のスパイスと、北海道産玉ねぎの甘味、かつお、焼きあご、あじ、昆布のうまみを合わせたカレー鍋スープ」(公式サイトより)。スープカレー鍋は全員はじめてだったようで、テンション高くコメントが飛び交った。
この鍋つゆを使ったことのある人は多いだろう。2005年の発売以来人気のロングセラーで、小規模のスーパーでも置かれている率は高い。
鶏と昆布出汁をベースに、ごまの風味を豆乳でマイルドに仕上げている。豆乳の味にこれで慣れた、なんて声も聞かれてくる。
かつお節と昆布をメインとした醤油ベースの鍋つゆ。ストレートタイプ。パッケージに「鳥」「水たき」の字があるが鶏出汁は入っていない。名前のとおり、福岡の博多にあるメーカーの商品だ。
こちらも人気はすっかり全国区、名古屋名物の辛い味噌鍋が自宅で楽しめるロングセラーだ。「スティック」はみそだれと辛みだれが別になっており、辛さを調整できるようになっている。寒いときに辛いものを汗かきながら食べる、というのが好きな人は結構多い。
味付きスープで具材をしゃぶしゃぶし、「しゃぶしゃぶするワクワク感と、おだしの効いたスープを飲むほっこり感を」同時に楽しむ、がコンセプト(公式サイトより)。出汁のベースはかつお、さば、むろあじ、昆布。編集部の水野さんがよく使われているようだった。
こちらも人気の商品。鍋つゆの素が小分けになっていて、1人分から2~3人分まで状況に応じて作りやすい。かつおと昆布が出汁のベースで、薄口醤油で味つけされ、しょうががふわっと香る。うどんつゆや煮物の味つけなどに使う人もいるようだ。
最後に、私が最近気に入っている鍋つゆ「能登いか魚醤とラー油とコチュジャンの鍋つゆ(紀ノ国屋)」を紹介したい。
いかの魚醤とは、いかを塩漬けにして発酵させて作る調味料。石川県の能登地方は昔からいかの魚醤が有名でな地だ。
試してみたらコクも辛みもほどよく、箸が進む!かの地を応援したい気持ちもあり、この頃よく買っている。
取材・執筆/白央篤司(はくおう・あつし):フードライター、コラムニスト。「暮らしと食」をテーマに、忙しい現代人のための手軽な食生活のととのえ方、より気楽な調理アプローチに関する記事を制作する。主な著書に『自炊力』(光文社新書)『台所をひらく』(大和書房)『のっけて食べる』(文藝春秋)など。2023年10月に『名前のない鍋、きょうの鍋』(光文社)、2024年10月に『はじめての胃もたれ』(太田出版)を出版
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