お金と仕事
キャッシュレスでお年玉「もらいたい」3割 PayPayで渡したら…
姪にPayPay。コンビニでデビュー
今年のお年玉、どんなかたちで渡しましたか?お年玉を受け取る側は「キャッシュレスでもらいたい」という声が年々増えているという調査があります。実際にキャッシュレスでお年玉を渡したという人にも話を聞きました。
お年玉にまつわる調査をしたのは、調査会社のインテージです。2024年11月末に15~79歳の男女5000人にインターネットで実施しました。
「今度のお年玉をスマホのキャッシュレス決済でもらいたいですか?」との問いには、お年玉をもらう予定だと答えた20歳以下の233人のうち、30.5%が「はい」と回答しました。
調査では2022年から同様の質問を続けており、2022年は28.6%、翌年は27.4%と微減、そして今年初めて3割を超えました。
同社は「今後の推移が注目される」としています。
一方で気になるのは、「あげる側」はどうするのかということ。20歳以下を除いた4862人のうち、現金かそうでないかを問わず、誰かにお年玉をあげる予定があると回答したのは、46.6%でした。
あげる相手ごとに「お年玉を渡す方法」を聞くと、「自分の子ども」「孫」「親戚の子ども」とも「現金」で渡すと答えた人が最多でした。
「キャッシュレス決済」でもらいたいと答える人たちは3割でしたが、あげる側の意識は異なるようで、「スマホのキャッシュレス決済」でお年玉を渡す予定だと答えた人は、「自分の子ども」に対しては1.2%、「孫」には0.8%、「親戚の子ども」には0.4%でした。
あげる側が、「キャッシュレス決済を利用しない理由」では、「現金の方がもらったという実感がわく」が41.5%で最多、「現金の方がありがたみが伝わる」(39.8%)、「現金で渡すのが伝統」(30.0%)と続きました。
同社は「物価高などが生活を圧迫してくる中、お金を出す側の心情もくんでほしいという心があるのかもしれません」とコメントしています。
実際にキャッシュレス決済でお年玉をあげた人はどうして、その方法を選んだのでしょうか。
コンサルタント業の50代男性は、3年前から親戚の子どもにキャッシュレスでお年玉を渡し始めたといいます。
もともと自分自身が「現金を持ちたくなく、お年玉袋を買うのも面倒だった」という男性。姪が高校に入学しスマホを持つようになったことも、キャッシュレスにした理由の一つだといいます。
「子どもたちを早めにデジタルに慣れさせてあげたい」という思いに加え、「現金でもらうと、親が貯金をしてしまうこともある。なるべく早く、お金を使う体験をしてもらいたいと思っていました」と語ります。
キャッシュレスにした1年目は、LINEPayでお年玉を渡しました。姪は「LINEスタンプ買うわ!」と喜んでいたそう。
今年は、もう一人の姪(小学6年生)もスマホデビューし、ふたりにPayPayで渡したといいます。コンビニで使い方を教えると「めっちゃ喜んでいた」そうです。
デメリットとメリットについて尋ねたところ、「デメリットは特にないですが、しいていうなら、親戚の子にあげるには親の了承が必要なことでしょうか」。メリットは「渡す側が現金を用意しなくていいこと」「お礼を言ってくれたものが、メッセージなどで残ること」とのことでした。
記者には8歳と3歳の子どもがいますが、キャッシュレス支払いにふれる機会といえば、8歳の子が持つSuicaぐらいです。これまでお年玉は、現金で渡してきています。
ただ、夫はキャッシュレスでお年玉を渡すことに抵抗のないようすで、「お金は『もの』ではなく『価値』だから、現金よりもキャッシュレスの方が、より価値を感じやすいのでは」と言っていました。
一方で私は、現金派。「もの」の方がありがたみを感じやすいと思っていましたが、取材を通じて、自分が重視していた「ありがたみ」ってなんだ……?と考え直しています。
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