「特別じゃない日」をテーマにした単行本が発売された漫画家・稲空穂さん。SNSで発表して注目を集めた漫画「店員さん」に込めた思いを聞きました。
コンビニで働く少女。いつも訪れる常連の女性客が今日も笑顔で来店します。
ある日、彼女がパン屋に行くと、常連の女性客がそこで働く店員だと気づきます。
同じ「店員さん」としてつながっていたことを知り、少女はさらに親近感を感じるのでした。
会社員をしていたときのことです。同じ職場で働く同僚は、当たり前ですが仕事中の顔しか見ていません。
それが会社の外、例えばスーパーなどでばったり顔を合わせたときにご家族と一緒にいると、仕事中とは全く別の表情をしていることがありました。
もう何年も毎日顔を合わせていたにもかかわらず、「ああ、こんなお顔もされるのだな」としみじみ思ってしまったことがあります。
誰もが誰かの家族、いつもサービスを提供してくださる「店員さん」も、どこかでは「お客さん」。色んな人の色んな表情が存在していると思うと、なんだか気持ちがほっこりする毎日です。