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「ぬいぐるみを作りなさい」〝天の声〟に背中を押されたクリエイター

「世界一しあわせな動物」をモチーフに

ときめきぬいぐるみクリエイターのハタヤエリさんが作る「クオッカちゃん」
ときめきぬいぐるみクリエイターのハタヤエリさんが作る「クオッカちゃん」 出典: 画像はいずれもハタヤエリさん提供

目次

思わずこちらも笑顔になってしまうような、「世界一しあわせな動物」をモチーフにしたぬいぐるみ制作を続けている女性がいます。ひとつひとつ丁寧に手作りするぬいぐるみはSNSでたびたびバズり、イベントに出展しても即完売状態に。「ひとりぼっちの気持ちを和らげてくれる存在を作りたい」という女性に話を聞きました。

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突然降りてきた〝天の声〟

「ときめきぬいぐるみクリエイター」を名乗るハタヤエリさん(@junkfoodopera)=大阪府在住=は、オーストラリアに生息する小型のカンガルー「クオッカ(クオッカワラビー)」をモチーフにぬいぐるみを作っています。

制作を始めたのは5年ほど前。

友人たちとお酒を飲んだ帰り道、ひとりで歩いていたハタヤさんのもとに突然、「ぬいぐるみを作りなさい」という〝天の声〟が降ってきたといいます。

「酔っ払っていたこともありますが、『そうだ、京都へ行こう』のような勢いで『そうだ、ぬいぐるみを作ろう』とひらめきました」

それまでもイラストやデザインの仕事はしていましたが、ぬいぐるみ制作はまったくの素人。ブログやSNS、書籍を参考に作り方を学んだといいます。

ぬいぐるみを始めて1年でバズる

2019年1月、ぬいぐるみ「クオッカちゃん」の第1号を作り、Twitter(現・X)に投稿すると、知人やフォロワーさんたちから「かわいい」と好反応が寄せられました。

ハタヤさんはもともと絵を描くことが好きで美術大学に通っていましたが、立体物の制作には苦手意識があったそうです。

しかし、ぬいぐるみを作ってみると手応えを感じ、「たくさん作ったらもっと上手にできるのではないかと思いました」と振り返ります。

制作を始めて1年後、「クオッカちゃん」の友達の「エビ天」をSNSに投稿したところ、「かわいすぎる」「めちゃくちゃほしい」「センスある」といったコメントが寄せられ、2万「いいね」がつきました。

バズったことで「クオッカちゃん」の存在も知られることとなり、SNSでたびたび注目されるようになりました。イベントや個展で「クオッカちゃん」を販売すると、即完売するほどの人気です。

ひとつひとつ手作りのため、作れるのは多い日で5体ほど。購入を希望する場合は、ハタヤさんのSNSで情報をこまめにチェックする必要があります。

「気持ちを和らげてくれる存在に」

ハタヤさんにとって、ぬいぐるみは「家族や友達のような、身近にいる気の許せる仲間」です。

「例えばアニメや漫画で、主人公の肩に乗っている小さな生き物や、そばにいてくれるドラえもんなど、ひとりぼっちの気持ちを和らげてくれる存在を作りたいと思いました」

制作する上では見た目のかわいさはもちろん、買ってくれた人にとって「いい感じの相棒」になれるよう願いを込めます。

「ぬいぐるみは屋外ではなく家のなかに置くものだと思います。一緒に暮らすほっとする存在であってほしいです」

モチーフになっているクオッカは、いつも笑っているように見えることから「世界一しあわせな動物」と呼ばれています。「クオッカちゃん」のやさしくほほえむ表情は、ハタヤさん自身がクオッカに感じた魅力を表しました。

「感情を押しつけてくるような表情ではなく、私自身が素朴な顔が好きだからというのもあって今の表情にしています。一緒に『ふふっ』とできるような感じです」

クオッカの存在をInstagramで初めて知ったときは、「なんてかわいい生き物だろう!」と釘付けになったといいます。

SNSから人気が広がったけれど

展示会の出展や大手企業とのコラボ、カプセルトイの発売など、活動の場が広がるハタヤさん。

「自分の好きなものを作ってたくさんの人に喜んでもらえ、夢がかないまくりの毎日です。今後はさらにアニメ化など動画にもチャレンジしていけたら」と語ります。

SNSから人気が広がった一方で、一時の「バズ」に頼らず長く愛されていくためにはどうしたらいいのかにも考えを巡らせます。

「10年後、20年後も続けていくためには、新しいキャラクターが必要かもしれませんし、『クオッカちゃん』だけを作っていくのもいいかもと思っています。AIにはできないことですよね。時代に合わせつつ、変えない部分は変えずに続けていきたいと思います」

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