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「闇バイトじゃなくて農業バイトしてみませんか」SNS投稿に反響 

「頑張るだけでちゃんと感謝される世界がある」

話題になった投稿とともにアップされた収穫時の写真=むぎわらさん提供
話題になった投稿とともにアップされた収穫時の写真=むぎわらさん提供 出典: むぎわらさんのX阿寒とより

目次

首都圏で多発している「闇バイト」によると思われる強盗事件。そんなニュースが相次いでいたなか、「闇バイトじゃなくて農業でバイトしてみませんか」と呼びかけた投稿が大きな反響を呼びました。投稿したのは、茨城県の干しいも農家。呼びかけの意図を聞きました。

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投稿に28万件超の「いいね」

X(旧ツイッター)に10月末、こんなポストを投稿したのは、茨城県那珂市で干しいも農家を営む、「むぎわら」さん。

《闇バイトじゃなくて
農業でバイトしてみませんか

大概とっぱらいです

忙しい時期だと…
来たい日だけでも
すごく感謝されます

若いだけでも
すごく感謝されます

短期間でも
すごく感謝されます

未経験でも
すごく感謝されます

一生懸命な姿だけで
ものすごく感謝されます

大概お土産も付きます》

この投稿には28万件以上の「いいね」がつき、5万件以上再投稿されました。ちなみに、むぎわらさんによると「とっぱらい」とはお給料を当日に手渡しすることだそう。

「いい仕事」「社会人だけどできるならやりたい」といった反応や、実際に農業のアルバイトを探しているという人たちからの反応がありました。

「頑張るだけでちゃんと感謝される世界ある」

むぎわらさんは「干し芋工房 風と太陽」の経営者です。干しいも用の「べにはるか」や「いずみ」、焼き芋用の「シルクスイート」や「栗かぐや」などを育てています。

むぎわらさん夫婦と両親の4人で、 苗を育て、植え付け、収穫し、干し芋に加工するまでを担っています。さらに、商品の販売発送作業、イベント出店など、仕事内容は多岐にわたります。

暴行や殺害にも及ぶ「闇バイト」が関連する事件は、テレビのニュースで見かけたといいます。「お金のために日本の若者がそこまでやるのかと衝撃を受けました。『何もそこまでしなくていいのに……』という内容ばかりで落ち込みました」

そこで、「闇バイトじゃなくて農業でバイトしてみませんか」と10月28日にXで投稿。

続く投稿では、かつて、むぎわらさん自身が仕事に悩み、退職したタイミングで出会った農業バイトの経験を綴りました。

そのバイトは、「芋を軽トラに載せてひたすらハウスに運ぶ作業」でした。

「そりゃ汗だくだし重いけど、やるのは『頑張るだけ』」

その結果、「めちゃくちゃよくしてもらった」し、感謝されたのだといいます。

「農業は高齢の方が従事していることも多く、経験も技術もなくても、頑張れるだけで、本当に感謝されます」と、「感謝」という言葉を繰り返すむぎわらさん。

「『頑張るだけでちゃんと感謝される世界がある』ということが頭をよぎり、投稿の文面に反映させました」

働くとはどういうことか

投稿には、「やってみたい」という反響も多くつきました。

むぎわらさんは、「農業への良いイメージ」を持った人の反応に手応えを感じた一方で、「バイトに来てほしい」と思っている農家との行き違いを感じたといいます。農業バイトを促進するために、「バイトに応募しやすい、安心感のある公的な仕組みがあればいいなあと思いました」。


むぎわらさんに、「働くとはどういうことだと思いますか」と聞いてみると、このような言葉が返ってきました。

「自分なりに思う『働く』とは、生き方だと思います。もちろん生活のためではあるけれど、それが自分の足で歩く、自分だけの道になっていく。自分自身を作り上げていくものだと思います」

「誰もが簡単に素晴らしい道を歩けるわけじゃないけれど、大変でも遠回りでも、必ずその人なりの道があると思うので、心を捨てずに、何よりも大切な人や自分自身に恥じない生き方を選んでほしいと思います」

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