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トイレのお作法、息子に教える〝絵本〟が話題 出先で不安なママ作成
外出先でひとりでトイレに行けるようになった息子へ
外出先でひとりでトイレに行けるようになった6歳の長男。でも、ちゃんとできているのか心配でーー。そんな思いをもとに、イラストレーターの母親がトイレでのお作法を描いた手のひらサイズの絵本を作りました。背景には、洗浄便座での苦い経験がありました。
SNSなどでエッセイマンガを描いている志士ノまるさん(@shishishishimr)は、保育園の年長クラスに通う長男のりっくん(6)をひとりで育てています。
りっくんには自閉スペクトラム症と軽度の知的障がいがあり、コミュニケーションや文字を覚えることが苦手です。
そんなりっくんのために、志士ノまるさんはあいさつやひらがな、トイレに興味を持ってもらえる豆本や、困ったときに周りの人に見せるための名前や住所、特性が書かれた豆本を作ってきました。
今夏、外出先でもひとりでトイレに行くようになった、りっくん。しかし、まだまだ不安なことがあったため、「ひとりでトイレにいくときは」という、トイレでのお作法を描いた豆本を作りました。
息子外出先でひとりでトイレに行けるようになったんだけど、いろいろ心配事がありすぎて…急遽作りました。
— 志士ノ まる★書籍発売! (@shishishishimr) August 4, 2024
他にも個室の鍵とか立ち便器の流すボタンとか載せたい…ちゃんとできてるのか pic.twitter.com/oLGmdmJVco
「トイレに はいるまえに ズボンを おろしちゃ… ダメー!!」
「しっかり ふこうね」
「いろんな ながす ボタンがあるよ」
「こわい!とおもったら すぐに でてきてね」
「ズボンを しっかり あげてね」
「しっかり てを あらってね」
豆本では、分かりやすいイラストとともに注意してほしい点を描いています。
Xに投稿すると、「わかりやすくてその場でサッと確認できる素敵なアイテム」「流すボタンは本当色々ありすぎて子どもに説明するの大変だからマネしたい」「こういうご指導、大切ですね」といったコメントが寄せられ、2万近い「いいね」がつきました。
志士ノまるさんによると、りっくんがおむつを卒業したのは年中だった今年1月です。以降も基本的には一緒に多目的トイレに入っていたといいます。
少しずつ男子トイレに慣れてもらいたいと考えていた志士ノまるさん。週2回通う発達支援施設でも、りっくんが男子トイレに入る練習をしていたといいます。
その影響もあってか、あるとき志士ノまるさんが商業施設で「男子トイレに言っておいでよ」とりっくんに声をかけると、さっとトイレに入っていきました。
「ちゃんとできるか、男子トイレの近くでびくびくしながら待っていました」と志士ノまるさんは振り返ります。りっくんはその心配をよそに、きちんと手を洗って出てきたそうです。
しかしその後、志士ノまるさんとりっくんがホテルに泊まったとき、部屋のトイレで〝事件〟が。
トイレから出てきたりっくんのあとで志士ノまるさんが入ってみると、便器の周りが「びしょびしょだった」といいます。
「流すボタンと間違えて洗浄便座のボタンを押したようでした。まだ字も読めないし、トイレによって流すボタンが違うので、間違えたようです」
ふたが閉まっていたため〝大惨事〟は免れましたが、りっくんは何が起きたか分からず、気づいてもいなかったそうです。
振り返ってみると、家ではズボンを脱ぎながら個室に入ろうとすることや、ズボンを最後まで上げきれずパンツ丸出しで出てきたこともありました。
「私はシングルマザーですし、一緒に男子トイレには行けません。でも、息子は身長が高く、女子トイレに一緒に入ると周りの人が驚いてしまうかもしれません。少しずつ男子トイレに適応してほしくて、絵で見せて理解してもらおうと思いました」
りっくんに豆本を見せたところ、「大好きな電車が描かれていないので、1、2回見て興味を失ってしまったようです」と志士ノまるさんは苦笑します。
それでも、着々とトイレの経験を積んでいるりっくん。現在、志士ノまるさんと出かけたときは商業施設など人の出入りが多く、「安全そう」と判断した場所でひとりで男子トイレに入っているそうです。
Xでの反応に、「同じ悩みや不安がある人は多いんだなと思いました」と志士ノまるさん。「ママからの反響が多く、共感してくださる方もいてうれしかったです」と話しています。
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