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ネットの話題

自動翻訳した瞬間「笑うしかない」〝インドで人気者になるTシャツ〟

異国の言葉で書かれたロゴTシャツ(左)を、自動翻訳アプリで読み取ると…
異国の言葉で書かれたロゴTシャツ(左)を、自動翻訳アプリで読み取ると…

目次

「インド料理屋でバカウケされること間違いなし!」というTシャツが、SNSで話題になっています。南アジアの人々の心をわしづかみにしたアイデアの裏には、あるものを探し求めてインドを訪れる〝ファン〟たちの切実な願いがありました。開発者に話を聞きました。

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自動翻訳アプリで読み取った瞬間

Xで、あるTシャツの画像が話題になりました。

波打つような異国の文字が印字された、オシャレなロゴTシャツ。

5行ある文章は、それぞれ別の言語のようですが、「NEED BIRIYANI」というアルファベットの文以外、筆者は1ミリも理解できませんでした。

NBA ビリヤニTシャツ 国際版(6ヵ国語)
NBA ビリヤニTシャツ 国際版(6ヵ国語) 出典:ビリヤニストア

そしてそのTシャツにスマホのカメラをかざして、自動翻訳アプリで読み取った瞬間、並んだ翻訳文は……。

「ビリヤニが食べたい」
「ビリヤニが欲しい」
「ビリヤニが必要です」
「ビリヤニが欲しいです」
「ビリヤニが食べたい」

このTシャツには、Xで「笑うしかなかったw」「ビリヤニ中毒者」「愛がすごく伝わってくる」「激しく共感」などの反響があり、拡散。販売元のサイトでは、即座に完売するなど話題になりました。

言語を自動検出して、自動翻訳アプリで読み込むと…
言語を自動検出して、自動翻訳アプリで読み込むと…

中には「ビリヤニって何? おいしいの?」と、初めて知る言葉に興味を持った人も。

ビリヤニとは、インドやその周辺国で食べられている、スパイスと肉を炊き込んだご飯のこと。「世界三大炊き込みご飯」の一つとも称されているそうです。

ビリヤニが食べられている地域の多様さ

Tシャツを企画・販売したのは、日本で「ビリヤニ」を広めようと2011年の発足以来、活動を続けている「NBA 日本ビリヤニ協会」。スローガン「ビリヤニを国民食へ」を掲げ、Facebookページにはすでに9000人の「ファン」が集まっています。

出典:日本ビリヤニ協会オフィシャルサイト

会長のビリヤニ太郎さんによると、このTシャツは「黙っていてもビリヤニが食べられる」をコンセプトに開発したそうです。

「本場のビリヤニを食べに行きたい」というファンにとって、広大なインドは、地域によって使われる言語が違うという高いハードルがあります。

「現地の言葉が分からなくとも、どこでもビリヤニが食べられるといいのに」

そんな願いを形にしたのが、このTシャツだそうです。

ビリヤニが食べられている地域の主な言語で「ビリヤニください」と印刷し、2014年に発売しました。

発売当初の5言語版のビリヤニTシャツ
発売当初の5言語版のビリヤニTシャツ 出典: 日本ビリヤニ協会オフィシャルサイト

その時点で採用された言語はこちら。

・ウルドゥー語(インド北部、パキスタン)
・ベンガル語(インド東部、バングラデシュ)
・英語(全域)
・ヒンディー語(インド全域)
・タミル語(インド南部、スリランカ)

しかし、これだけの言語を用いても、まだインド全土は網羅できないそうです。

追加の要請があった言語のうち、新たに「ビリヤニの聖地」ハイダラバードで主に使われている「テルグ語」を入れた6言語版を作ったといいます。

SNSでも「かわいい」と評判だった、テルグ語の「ビリヤニください」
SNSでも「かわいい」と評判だった、テルグ語の「ビリヤニください」

着用による素晴らしい効果

実際に、インドに着て行って、ビリヤニ食べ歩きをしたというビリヤニ太郎さん。店に入ってTシャツを見せると、店員は笑って「何も言わずにビリヤニを持ってきてくれた」。

また別の店では自慢のビリヤニについて調理法を丁寧に教えてくれたり、「しまいには無料でビリヤニを出してくれた」こともあったそう。

Tシャツを着てビリヤニを食べていると、「ビリヤニ食わせろとかマジうけるwww」と、客のインド人たちにも喜ばれたそうで、「着ているだけで、見知らぬ人と一気に仲良くなれる」という素晴らしい効果を実感したそうです。

道のりはまだ遠い

ビリヤニ太郎さんは、「〝ビリヤニ〟とひとことで言っても、食べた時の複雑な香り、また、地域・作り手によって味わいが全く違い、探求し続けられる料理であるところが、魅力です」と語ります。

協会では本場のビリヤニが味わえる冷凍食品をネット販売したり、料理本「魅惑のスパイスごはん ビリヤニ」を出版したりして、その魅力を発信し続けています。

最近では、日本でも大手メーカーが「ビリヤニの素」を販売したり、コンビニでビリヤニが販売されたりするなど「徐々に浸透してきていると思う」と喜びつつも、「私たちが目指している、昼食のときに『ラーメン、牛丼、ビリヤニ』で悩むようになるまでには、もう少し時間がかかると思っています」。

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