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国民に「海離れ」傾向…人材不足憂慮 海に愛着のある県トップ3は?

沖縄の海。監視員が海を楽しむ人の安全を見守る=筆者撮影
沖縄の海。監視員が海を楽しむ人の安全を見守る=筆者撮影

目次

「海が好きだ」と答えた人が、半数以下に減少――。海に囲まれた日本で、海への感情や認識を定点観測している調査があります。全国的には「海離れ」の傾向にあるなか、海への愛着度を都道府県ランキングにすると、トップ3を占めたのは……?(寺田実穂子)

1年以内に海行っていない人、半数以上

人々の海への感情や認識を定点観測しているのは、日本財団の「『海と日本人』に関する意識調査」です。

2017年から2年ごとに行い、今年7月、4回目の調査結果を発表しました。調査は5月にインターネットで行い、15~69歳の男女1万1600人が回答しました。

今回の調査で目立ったのが「海離れ」の傾向です。

「海が好きだ」と答えた人は減少傾向にあり、2019年には57%でしたが、22年(新型コロナウイルス感染拡大前との差異をよりはっきりつかめるよう、3年後に実施)は52%、今回の24年は44%と半分を切りました。

実際に、海に行く機会も減っているようです。

「この1年間で1度も海を訪れていない人」は、2019年は33%でしたが、24年は52%と半数を超えました。

この「海離れ」の傾向に、日本財団常務理事の海野光行さんは「海の産業や海洋開発分野を担う人材がさらに不足していくのではないか、と憂慮しています」と危機感を抱いています。

海に行きたいのは小学生

財団では、小学生2000人には、別途のアンケートも実施しました。

75%の小学生は「海に行きたい」と回答。ただ、ここ1、2年で海に行ったのは60%で、希望に追いついていないようです。

海野さんは「小学生を主に海に連れて行くのは親です。子育て世代の海に対する知識がないことや無関心が影響している可能性があります」と話しています。

海への愛着、あなたの都道府県は?

全年代の調査では、都道府県別の海への愛着度も調べました。

「海は人生にかかせないものだ」「海が好きだ」「海にとても親しみを感じる」「海と接していると心地よい」「海を愛している」――。

この五つの設問に対する評価をスコア化したとき、最も海に愛着のある県はどこだったでしょうか。

1位は沖縄県、2位は長崎県、3位は宮崎県。海野さんは「海が近く、コンテンツとして力を持っている県」と分析します。2022年の前回調査でも、この3県が変わらずトップ3を占めました。

これらの県は、海洋教育でも高いスコアを示した地域だそうです。

全国の小中学校を対象にしたアンケートでは、回答のあった7247校のうち、九州・沖縄地方が、他の地方に比べて海に関する学習を行っているという回答が多かったそうです。

一方、45~47位は、岐阜県、栃木県、群馬県と「海なし県」が占めました。

海野さんは「海がないため、逆に『海へ行きたい』といった憧れもあると思います。別の切り口の調査があれば高いスコアが出てくるのではないか」と分析します。

愛着度が低い都道府県は、東海、甲府、北陸地方などの日本列島の真ん中に集中していました。

記者が幼少期を過ごした静岡県は36位。海と言えば、遊ぶ場所というよりはまず「海鮮」を思い浮かべます。特にマグロ類の漁獲量は全国一で、海産物は身近に感じていました。

キャンプでは川に、潮干狩りでは浜名湖に行って楽しんでいました。海は好きですし、心地よく感じますが、「愛しているか」「人生にかかせないか」と言われたら、そうとは答えないと思います。

海の愛着度の都道府県別の分析は難しいようですが、あなたの出身地はあなたの実感に合っているでしょうか?

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