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選択的夫婦別姓、腰の重い自民党 でも支持層の世論は「賛成64%」

結婚した時に、夫と妻で名字を同じにするか、別々のままにするか、選べるようにする「選択的夫婦別姓」。自民党はなかなか法改正に動き出しませんが…
結婚した時に、夫と妻で名字を同じにするか、別々のままにするか、選べるようにする「選択的夫婦別姓」。自民党はなかなか法改正に動き出しませんが… 出典: Getty Images ※画像はイメージです

目次

結婚した時に、夫と妻が名字を同じにするか別々にするか、法改正して選べるようにする「選択的夫婦別姓」。導入すると「家族の形が変わってしまう」などと、反対論が根強いのが、自民党です。ところが朝日新聞社の世論調査では、自民党を支持する人たちでも、導入に「賛成」という割合が「反対」の倍以上になっています。こうした世論は腰の重い政治家たちを動かすでしょうか。(朝日新聞記者・磯田和昭)

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40代以下は8~9割が導入賛成

夫と妻の名字については、民法が「夫または妻の氏を称する」と同じ名字にすることを規定しています。

そこで、7月20、21日に実施した全国世論調査(電話)で、法改正して選択的夫婦別姓を導入することの賛否を聞きました。

質問は「同じ名字でも、別々の名字でも自由に選べるようにする」とかみくだき、あくまで選択を可能にすることについて聞いたつもりです。

回答者全体では「賛成」が73%で、「反対」の21%を大きく上回りました。

 

「賛成」は男性が66%なのに対して、女性の方が79%と高くなっています。結婚して夫の姓に変える場合の不都合などを感じていることの表れでしょうか。

年代別では、40代以下で「賛成」が8~9割に達しています。「反対」の割合が31%と他の年代より多い70歳以上でも、「賛成」は60%を占めています。

自民支持層 賛成64%、反対30%

7月の世論調査で選択的夫婦別姓を質問したのは、大手企業でつくる経団連が制度の早期実現を求める提言を6月に発表したのがきっかけでした。

女性の社会進出が進むのにつれ、結婚前の旧姓を「通称」として使うだけでは、いろいろと不都合な場面が増えていると、迫ったのです。

これを受けて自民党でも、夫と妻の名字のあり方を議論する場が3年ぶりに再開しました。

ところが、7月中旬の初会合ではいきなり、賛否両論が噴き出したといいます。そこで、支持する政党が自民党だと答えた人(自民支持層)に絞って今回の世論調査の結果を見てみました。

すると、「賛成」64%、「反対」30%と、回答者全体で見た場合よりは「賛成」が少ないものの、「反対」の倍以上になっていました。

 

時代とともに変わる世論

「結婚すると、夫の名字を名のるのが普通ですが、これを当然と思いますか」

これは40年あまり前の1980年12月の全国世論調査(面接)の質問です。

「普通」だとする質問の前提自体が、時代を感じさせてしまいますが、結果は「当然と思う」が75%で、「そうは思わない」はわずか18%でした。

それから14年後の1994年の調査でも、「当然と思う」が65%を占めていましたが、「そうは思わない」が28%に増えています。

 

「それなら結婚しなくていい」

野党議員が国会質問で選択的夫婦別姓の早期実現を訴えた際に、こんなヤジが飛び、問題になったこともありました。4年前のことです。

野党は、ヤジったのは自民党議員だとして確認を求めましたが、自民党は拒否。結局、うやむやになりました。

3年ぶりに重い腰を上げた自民党が、世論の動きにどう反応するのか、注視したいと思います。

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