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ネットの話題

「〝カラコン〟つけてて弾き返された」パスポートの証明写真、真相は

SNSのうわさを外務省に聞いてみました

外務省の「パスポート用写真についてのお知らせ」
外務省の「パスポート用写真についてのお知らせ」 出典: 外務省領事局旅券課

目次

「パスポートの写真、カラコンつけてて、弾き返された」「めちゃ厳しくなってて、縁(ふち)アリもだめ」ーー。長期休暇を前に、SNSではパスポートや証明写真を巡るうわさや疑問が飛び交っています。厳しくなってるの? どこまでアリなの? 外務省に聞いてみました。

「虫眼鏡で写真を確認」

X(旧ツイッター)では、こんな投稿が盛り上がりました。
《超注意!!!》
《これからパスポートを申請しようとしている人、証明写真で絶対カラコン、つけないで!》《今めっちゃ厳しくなってて、当日ゲート通れない》

X上では実際に、パスポートを申請しようとした人の失敗談や驚く体験も投稿されています。
《めっちゃパスポートの写真盛ったけど、カラコンつけてて、弾き返された》
《裸眼なのに「カラーコンタクトですか?」と虫眼鏡で写真を確認された》

これらの投稿には「証明写真でカラコンをつけるなんて非常識」という冷ややかな意見もある一方で、「カラーコンタクトレンズはオシャレのためにつけるのではなく、毎日つけているものだから、うっかりつけて行ってしまうのだ」という主張もありました。

今は、カラコンが生活の一部になっている人も多くいます。外務省に、Xで飛び交う疑問の真偽を聞きました。

瞳のふちをはっきりさせるコンタクトレンズは「体の一部」と言う人もいるほど
瞳のふちをはっきりさせるコンタクトレンズは「体の一部」と言う人もいるほど 出典: Getty Images

一部、厳しくなった

聞いたのは、外務省の領事局「旅券課」。

まず「カラコンに対して厳しくなった」という変化はあるのかについて聞きました。

《外務省としては、旅券用写真については、国際規格に基づき「旅券(パスポート)用写真についてのお知らせ」として示しております。その中でカラーコンタクトを装着した写真は不適当としておりますが、以前から同案内は掲載しております》とのこと。

最新の「お知らせ」とは、2021年(令和3年)5月に更新されたもので、「適当な写真例」と「不適当な写真例」の見本が載っています。

特に、適当な写真例では「目の条件」がクローズアップされており、「目の周辺に、髪の毛、マスク、眼鏡、つけまつげ、まつげエクステ等の一部、或いはその陰が入ってこないようにすること」と強調されています。

不適当な写真例でも「目」の特集があり、「カラーコンタクトや瞳のフチを広げるコンタクトを装着したもの」を不適当としています。

前回の「お知らせ」は2016年(平成28年)6月のものでしたが、その頃からカラーコンタクトに関する扱いは変わっていないとのこと。

一方で、《国際規格の更新に伴い、瞳のフチを広げるコンタクトレンズの着用を不適当な写真例として追加》したそうです。

外務省の「パスポート用写真についてのお知らせ」
外務省の「パスポート用写真についてのお知らせ」

「不利益を被る」の意味

なお、この「お知らせ」には続く文章があります。「上記コンタクトを着用の場合、出入国の際、不利益を被る可能性があります」。

「不利益を被る」とは、なんだか恐ろしい響き。一体、どういう不利益があるのでしょうか。

質問に対する旅券課の回答は、《パスポートの写真と入国しようとしている人が同一人物と認められない場合には、入国拒否される場合も考えられます》。

楽しみにしていた旅行が、旅先でカラコン一つでとんだ災難に見舞われるのです。

「アリの写真」で「ナシ」なら通れる?

Xでは「すでにカラコンつけた証明写真で申請して(通って)しまった」という人もいましたが、どうなるのでしょうか。

あわせて聞いてみました。「同じカラコンをつけていれば、出入国できるのでしょうか」

旅券課の回答は《パスポートの写真と入国しようとしている人が同一人物と認められない場合には入国拒否される場合も考えられます》と、にべもありません。


Xでは、「逆にカラコンありで撮影した証明写真のパスポートで、カラコンを外して行ったら、入国できなくなるの?」という心配の声や、「証明写真はカラコンなしだけど、海外旅行に行くのに気合入れてカラコンで盛った場合は大丈夫?」という懸念もありました。

旅券課の回答は、《受け入れ国が、パスポートの所持人と入国しようとしている人の同一性を認めない場合には、入国拒否となるリスクが考えられます。また、同一性の確認のため審査に時間を要し、入国に時間がかかるといった影響も考えられます》とのこと。

ポイントは、同一性の確認。となると、アリでもナシでも、リスクが伴うようです。

外務省の「パスポート用写真についてのお知らせ」
外務省の「パスポート用写真についてのお知らせ」

「カラコンはもはや体の一部」という人へ

Xにはカラコンをつけた状態で「○○(国名)なら通れた」などの情報も飛び交っていますが、旅券課によると《旅券用写真には国際規格があります》とのことで、「国による差異」は、どうもあてにならなそうです。

《繰り返しになりますが、パスポートの写真と入国しようとしている人が同一人物と認められない場合には、入国拒否される場合も考えられます》(3回目)

とはいえ、カラコンやつけまつげが「もはや体の一部」という人も多い世の中。「カラコンなしで渡航しないので(証明写真も同じ格好で)許してほしい」という人もいました。

その声、届けました。

旅券課の回答は《旅券用写真の規格は、渡航等に関する国際機関である国際民間航空機関(ICAO)の勧告に基づいて定められています。旅券は海外において唯一の身分証明書であり、旅券用写真は本人確認を行う上で非常に重要です。円滑に出入国していただくためにも、外務省が出しております、「旅券(パスポート)用写真についてのお知らせ」に従って、適切な写真による申請をお願いいたします》。

外務省の「パスポート用写真についてのお知らせ」
外務省の「パスポート用写真についてのお知らせ」

旅先で楽しい思い出を作るために、カラコンはパスポート作成と出入国審査の時以外に使って「盛って」頂き、どうか、良い旅をお楽しみ下さい。

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