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梅雨の〝入り・明け〟どう決める? 実は定義なし、でも発表する訳は
各地で梅雨入りし、次は梅雨明けがいつになるのか気になる時期になってきました。梅雨入り、梅雨明けは誰がどうやって判断して発表しているのでしょうか。気象庁に聞いてみました。
「近畿地方が梅雨入りしたとみられる」「関東甲信地方が梅雨開けしたとみられる」――。この時期になると気になる梅雨入り、梅雨明け。どこが発表しているのでしょうか。
気象庁の天気相談所に聞いてみると、担当者からは「梅雨入りや梅雨明けは、気象庁が、地方ごとの気象台と一緒に判断して発表しています」との答えが返ってきました。
地方ごとの気象台とは、沖縄気象台、鹿児島地方気象台、福岡管区気象台、高松地方気象台、広島地方気象台、大阪管区気象台、名古屋地方気象台、新潟地方気象台、仙台管区気象台のこと。
それぞれが各地方の梅雨の判断をしています。ちなみに、梅雨がない北海道は発表の対象外です。
そもそも梅雨とは「晩春から夏にかけて雨や曇りの日が多く現れる現象、またはその期間」と定義されていますが、梅雨入り・明けには明確な定義はありません。
数日から一週間ほどの天候の予想に基づいて、気象庁と各気象台の担当者が梅雨入り・明けを判断します。
「こうなったら梅雨入り・明け」という決まりがないため、「明けたとみられる」「梅雨入りしたとみられる」といった表現を使っているといいます。
例えば、曇りや雨の日が少なくなり晴れの日が多くなると予想され、梅雨前線が北上して太平洋高気圧が張り出してくると、「梅雨が明けた」とみなすことができるそうです。
梅雨入り・明けの発表は予報を用いたあくまで「速報値」であり、もちろん梅雨明けの発表後に雨が続くこともあります。
そこで気象庁では毎年9月に、その年の梅雨を振り返り、梅雨入り・明けの日付けを見直して確定させています。
気象庁では、1964年から梅雨入り・明けを「おしらせ」として発表を始めています。
あいまいとも思われる梅雨入り・明けですが、ではなぜわざわざ発表をしているのでしょうか。
担当者は「そもそも気象庁という役所が、『いつからですよ』といった季節のはじまりや終わりを決めるなんておこがましいのですが…」と前置きしたうえで、「大雨のシーズンであり、災害も起きやすくなります。防災への意識を高めて、注意を払ってもらえるように、こうして発表しています」と話しています。
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