話題
プール開き前、掃除で生き物を見つけたら…「連絡を」呼びかける理由
プール開きの前の掃除で、もし生き物を見つけたら…?とある水族館が、水生昆虫の生息状況を調べようと、情報提供を求めています。授業が始まる前のプールには、いったいどんな生き物がいるのでしょうか?
そろそろプール開きの時期です。先日、埼玉県羽生市にある「羽生水郷公園(さいたま水族館)」が、Xでこんな風に呼びかけました。
「冬も水が張ってあるプールは水生昆虫の越冬や移動の中継地になる大切な水場で想像以上に多くの生き物がいます。そこで、埼玉県内の学校などで、プール掃除などの際に水生昆虫を発見したらさいたま水族館にご連絡いただきたいです」
【ゆる募】
— さいたま水族館・羽生水郷公園【公式】 (@saitamaaqua) June 6, 2024
そろそろ学校のプール掃除の季節です。
冬も水が張ってあるプールは水生昆虫の越冬や移動の中継地になる大切な水場で想像以上に多くの生き物がいます。
そこで、埼玉県内の学校などで、プール掃除などの際に水生昆虫を発見したらさいたま水族館にご連絡いただきたいです。 pic.twitter.com/a2W6SLbdCu
投稿によると、プール掃除で生き物を見つけたら、水族館に連絡をしてほしいとのこと。
さいたま水族館でこういった呼びかけをするのは今年が初めてだそうですが、どういった意図があるのでしょうか。担当者に聞いてみました。
さいたま水族館では普段から県内の生き物の生息状況についての情報を集めているものの、生物の標本や情報が足りない状況だったといいます。
担当者は「県内の生き物の生息情報を知り、資料にまとめるためにこういった呼びかけを始めました」と話します。
一年中、水が張られているプールでは水生昆虫の生息地を繋ぐ中継地点であり、池や川に比べて発見しやすく、子どもでも比較的安全に生き物を探すことができます。
ただ、ここ数年は「タガメを見つけた」という連絡が数件あっただけ。「そもそも水生昆虫の生息数が減っているようで、発見の機会も減っているのかもしれません」といいます。
投稿では、学校のプールに呼びかけていますが、公営や個人のプール、池などでも水生昆虫を発見したら連絡してほしいそうです。
生き物の写真や発見場所の情報だけでもいいですが、過去には生き物そのものを持ってきてくれた例もあったとのこと。今回も、発見した場合は水槽などに入れてそのまま水族館に持ってきてもいいようです。
今後、情報が集まってくれば、データや資料としてまとめる予定です。実際に昨年、絶滅が危惧される「タガメ」が県内で発見された時は、その情報を昆虫談話会の会誌に寄稿したそうです。
特に、絶滅のおそれのある種をリストにした「レッドデータブック(レッドリスト)」に掲載されているようなゲンゴロウやタガメなどの生き物の発見は、貴重な情報になるといいます。
担当者は「近所の水辺やプールにいる水生昆虫がきっかけで、身近な生き物に興味を持つこともあると思います。情報が少しずつでも集まることで、生き物調査という大きなデータになるということも知ってもらえるとうれしいです」と話しています。
1/6枚