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「台風何号」と呼ぶのは日本だけ?台風についている140の名前とは
先日、台風1号が発生したというニュースがありました。通常は「台風何号」と数字で呼ぶことが多いものの、実は「名前」もついているんです。どのようにつけるのでしょうか?
ニュースで「台風何号が発生しました」という言葉、よく聞きませんか?
気象庁は毎年1月1日以降、最も早く発生した台風を第1号として、発生順に番号をつけています。
日本では号数で呼ばれるケースが多いものの、実は名前があるんです。
5月26日に発生した台風1号の名前は「イーウィニャ」。これは、ミクロネシアの言葉で「嵐の神」という意味だそう。
次に台風が発生すれば、「マリクシ」になります。これはフィリピンの言葉で「速い」という意味です。
この台風の名前、どのように決まっているのでしょうか?
気象庁によると、台風には元々、米国が英語の人名を付けていました。しかし、「アジアの人々になじみのある名前をつけることで人々の防災意識を高める」ということを目的に、2000年から「アジア名」を付けることになりました。
台風の名前は、日本を含む14の国や地域が加盟する「台風委員会」によって付けられています。
文字数が多過ぎないこと(アルファベット9文字以内)、発音しやすいこと、ほかの加盟国や地域の言語で感情を害するような意味を持たないこと、といった条件もあります。
名前は加盟国が10個ずつ提案しており、順番が決まっていて発生順に付けられます。
1番目はカンボジアの「ダムレイ(象)」、2番は中国の「ハイクイ(イソギンチャク)」で、140個の台風が発生した後は一番初めの「ダムレイ」に戻ります。
台風の年間発生数の平均は25個くらいなので、だいたい5〜6年で台風のアジア名が一巡することになります。
今年初の台風「イーウィニャ」は9番目です。
もちろん、140個のなかには日本が提案した名前も10個あります。
2023年9月に発生した台風14号の名前は「コイヌ」でした。
ほかにも、ヤギ、ウサギ、カジキ、コト、クジラ、コグマ、コンパス、トカゲ、ヤマネコ……。日本の名前はすべて「星座」に由来しています。
なぜ、台風に星座由来の名前がついているのでしょうか。
気象庁によると、中立的で利害関係が生じにくく、大気現象の台風ともイメージが関連していて、人々に親しまれていることが理由だといいます。
また、日本で使われている「番号呼び」は意外にも日本独自だということ。日本以外の国では、一般的にアジア名が使われているそうです。
気象庁の担当者は「気象庁としては名前も号数も両方を併記しています。どちらで呼んでいただいても大丈夫です」と話しています。
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