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「児童養護施設にいたの」ネイリストのお姉さんが、ふと口にした過去
「私、児童養護施設にいたの」。いつも笑顔で気さくで、大学生活の悩みを聞いてもらうほどの仲になっていたネイリストのお姉さん。ふと「なんでネイリストになったんですか?」と聞くと、返ってきた言葉は予想もしないものでした。その言葉をきっかけに、児童養護施設をとりまく状況を調べてみました。(大学生ライター・鈴木さくら)
ネイリストの女性が児童養護施設で体験したことは、自分が歩んできた道とは大きく違うものでした。
生活も将来の選択肢も制限されるなか、それでも、自分で道を切り開いていくしかない。強い意思がなければ生きていけない過酷な状況だったのだと感じました。
女性のまわりでは、生活の安定を優先して就職する人がほとんどで、大学などに進学する人はあまりいなかったそうです。
試験勉強や入試にかかる費用、入学後の学費、なにより生活費がのしかかる……。諦めてしまう気持ちは想像に難くありません。
子どもの居場所づくりに取り組み、「社会での依存先の一つになること」を目指すHFAのような活動の大切さをあらためて感じました。
「お金があればこんな苦労しないのにね」。取材の最後の、女性の言葉は今も私の胸に重く響いています。
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