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恩師が待つ京都へ、東海道五十三次を11日かけて走破 学生5人の記録
走り終えて映画も制作したメンバーに話を聞きました。
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走り終えて映画も制作したメンバーに話を聞きました。
「東海道五十三次」の約500kmを11日かけて走破します――。そんな大学生5人の挑戦を記録した映画「僕らは夢の中へ」が4月20日に上映されます。完走して映画も制作したメンバーに話を聞きました。
東京都品川区の小中一貫校・八潮学園の同級生で結成されたランニングチーム「八潮RUNrun部」。
メンバー5人は2022年3月10日、東海道五十三次を走破するために東京の日本橋を出発しました。
ゴールである京都の三条大橋で待っていたのは、八潮学園時代の恩師で陸上部顧問だった廣橋智美さん(36)。
5人が八潮学園を卒業するのと同じタイミングで退職し、現在は福岡県内の古民家「旧糀屋」で店主を務めています。
なぜ東海道五十三次を走破しようと思ったのか?
きっかけは、修学旅行で三条大橋を訪ねた時に廣橋さんがこんな話をしたことでした。
「この道は私たちが住んでる品川まで続いてるんだよ」
その話を聞いて、いつか東海道五十三次を走ってみたいと思っていたメンバーたち。
RUNrun部結成5周年に合わせて、実行することになりました。
「江戸から京都まで移動するのに当時の人で15日ぐらいかかったと知って、1日50キロ走れば11日で行けるだろうと考えていました」
そう話すのはRUNrun部の部長・鈴木杏汰さん(21)です。
せっかく挑戦するのであれば、自分たちが見た景色や会話も記録したい。
あとで自分たちで楽しむために映像化できたらいいな。
そう考えたRUNrun部のGM・井沢賢人さん(21)が詳細な計画を立てて、機材を準備。
いざスタートすると、鈴木さんが道中で食べた激辛焼きそばとラーメンでおなかを下す事態に。
井沢さんは初日から筋肉痛に悩まされ、「井沢一人だけ電車で京都に送るか」という案も出ました。
次々と起こるトラブルを乗り越えて、3月20日午後3時すぎに三条大橋へ到着。
ゴールで待っていた廣橋さんが「すごーい、おめでとう。走破、やった!」と声をかけました。
「先生、ありがとうございます」「本当に終わったのか実感ないです」と口数の少なかった5人。
最終日は夜中の2時に出発して50kmほど走っていたため、くたくたの状態でのゴールだったそうです。
せっかく撮った映像を思い出のまま終わらせるのはもったいない。
そんな思いから、井沢さんが中心となって映画化を企画。
芸術系や音楽系の大学に通う学生たちと映画製作団体「BYN」を立ち上げ、クラウドファンディングにも挑戦しました。
「走ってる時は『こんな時までカメラ回しやがって』と思っていましたが、今では記録を残してくれたことに感謝してます」と鈴木さん。
プロデューサーとして映画にも関わることになったのは、井沢さんへの感謝の思いがあったからだそうです。
「ゴールした日の夜、先生も囲んで食事しながら僕が作った曲を披露したんです。井沢に頼まれて作ったんですが、彼が『心に響いた』って言ってくれたのがうれしくて。こいつのために頑張ろうって思いました」
今年3月7日、完成した映画「僕らは夢の中へ」を品川の総合区民会館で初上映。
廣橋さんも招いて舞台あいさつも実施し、撮影の裏話なども披露しました。
4月20日には、2度目となる上映会を予定しています。
「演じてるわけではないので、苦しそう、楽しそう、といったリアルな部分に人間味を感じていただけたら」と鈴木さん。
総監督を務めた井沢さんはこう話します。
「自分だけではどうすることもできないことを、仲間と一緒に乗り越えた記録です。でも、そんなに深く考えることなく、どうやって走破したのか、どんな場所を走ったのか、と軽い気持ちで見ていただけるとうれしいです」
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