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#38 #就活しんどかったけど…

就活の「服装自由」は本当? リクルートスーツ・パンプスがしんどい

連載「就活しんどかったけど…」

就活でスーツやパンプスに悩まされたという女性。「服装自由」と案内されていたので私服で参加したところ、まわりは全員がスーツだったといいます
就活でスーツやパンプスに悩まされたという女性。「服装自由」と案内されていたので私服で参加したところ、まわりは全員がスーツだったといいます 出典: Getty Images ※画像はイメージです

「服装自由」と表記があっても、裏を読んでしまって「私服で来る人をあぶり出す作戦なのでは」と思ってしまった――。服装に悩んだという関東地方に住む大学生(22)は、自身の就活を振り返ります。リクルートスーツにこだわらない企業も増えているなか、就活の装いについて考えます。(withnews編集部・水野梓)

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就活しんどかったけど…

サイズに合わないリクルートスーツ

「就活のスーツを着るのが本当に苦しくって。自分のコンプレックスが強調されてしまって、着ている日は自己肯定感が下がっていました」

そう話すのは、関東地方に住む大学4年生の女性です。都内の大学に通い、周囲にあわせて大学3年の春から就活を始めました。

就活では、数万円の一般的なスーツを着用しましたが、自身のサイズに合うものがなく、着心地が悪かったといいます。

「私は骨格ががっちりしているので、一番大きなサイズでも体にぴちっとくっつく感じでした。動きにくいし、着ているときは常におなかが気になって引っ込めていましたね」と話します。

インターン「服装自由」と思ったら…

「服装自由」「ビジネスカジュアル」と書かれている説明会やインターンなどには私服で参加していましたが、実際に会場へ行ってみると、まわりはスーツばかり。

最も印象に残っているのは3年の冬、海外との仕事をしたいと参加した商社のインターンでの経験だといいます。

「服装自由」と案内されていたため、白と水色のセーターと黒いパンツ姿で参加しました。

「行ってみたら私服なのは自分だけでした。1日目は、まわりから見られているかも、恥ずかしいという気持ちになって、まったく集中できませんでした」と振り返ります。

出典: Getty Images ※画像はイメージです

2日目からはスーツで参加しましたが、3日間のインターンはハードだったといいます。

9時に集合し、5~6人のグループに分かれてアイデアを出したり議論を深めたり…。終了時間は19時ごろでしたが、多くのグループが残り、帰宅後にZoomをつないだこともあったそうです。

「着心地の悪いスーツで過ごすのもしんどくて。この間、睡眠は2~3時間しかとれなくて、インターンが終わった直後には体調を崩しました」

このインターン後、面接へ進んだ参加者もいたそうですが、「私はダメで、もしかしたら『残業耐性がない』と思われたのかもしれません」と話します。

パンプスで靴ずれ 血だらけに

スーツのほかに、女性が悩まされたのがパンプスでした。

「何回も何回も買い替えました。高い靴を買ったり、サイズをずらしてみたり…『跳べる』とか『走れる』と宣伝されているものも買ってみましたけど、靴ずれするし痛いし、つらかったです」と言います。

パンプスやストッキング、靴ずれ対策など、出費もかさんだといいます。

「友人たちとも、『今日また靴ずれしてる』『かかとの上から血が出てる』と話していました。100均で靴ずれ防止テープを買ってぐるぐる巻きにしても痛くなって、何をやってもパンプスだけはどうにもならなくて、最後までケガを負いながら就活をしていた感じでした」

出典: Getty Images ※画像はイメージです

女性の自宅から都内までは1時間超かかります。就活で出かける時には、スーツやパンプスをバッグに入れて、スニーカーを履いて出かけ、駅のトイレで着替えていたそうです。

「パンプスで行ったら電車の中で立っているのもつらいし、面接の頃には血だらけになっちゃう。夏はスーツのジャケットも暑いし、できるだけ着用時間を短縮しようと思っていました」と話します。

「服装を具体的に書いてほしい」

本当に「服装自由」は自由なのか、疑心暗鬼になったという女性。「インターンや説明会・面接でも、服装を具体的に書いてほしい」と話します。

「企業によって風土や文化はあると思うので、ミスマッチを防ぐためにも、入社後もスーツなら『スーツで来てほしい』と書いてほしいです。『服装自由』でほかに情報がないと、裏を読んで『私服で来たバカなやつ』をあぶりだそうとする作戦なんじゃないかと思ってしまいます」

就活の服装指定を明記したり、選考時のほかの就活生の服装を見える化しようとする「#きがえよう就活」といったプロジェクト(青山商事・ニューズピックス)に賛同する企業も増えていますが、同プロジェクトの調査では、9割の学生が「服装自由・軽装・私服可」の服選びで「困ったことがある」と回答しています(2021年10月から2022年6月調査)。

出典: Getty Images ※画像はイメージです

女性は、人事部の担当者から「スニーカーで来て大丈夫だよ」と声をかけられたというインターンでは、私服の就活生もいて、「リラックスして、本調子で取り組めた」と話します。

とはいえ、春からメディア業界で働く女性は、「今振り返れば、私服で来たからといって、何かマイナスな影響があったとは思いません。きっと選考時も、何を着ているかより、その人自身を見てくれているとは思います」と振り返ります。

これから就活を始める学生については、「スーツがつらかったら、自分の好きな服で行って、自信を持って自分の素を出した方がいいと思います。スーツが苦手だな、とか、自分だけ私服だな、とか気にしすぎて萎縮してしまうと、負の連鎖に入ってしまうので、振り切って自分を出してください」とエールを送っていました。

<体験談お寄せください> 新企画「就活しんどかったけど……」では、コロナ禍で変化もあった就活の「いま」を見つめ直し、よりよいあり方を探っていきます。

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