話題
時給が高いコンビニは?「すぐ慣れる」「やりがい」アピールの違いも
アルバイトの時給の動向や求人データを調べてみました
全国いたるところにあるコンビニエンスストア。各社品ぞろえだけでなく、プライベートブランドなどで独自色を出していますが、働き手の募集のやり方にも違いはあるのでしょうか。大手3社の時給の動向や求人内容の違いを調べてみました。(デジタル企画報道部・山崎啓介)
調査したのは、求人情報のデータ収集や分析をする「HRog(フロッグ)」。コンビニ大手「セブンイレブン」「ファミリーマート」「ローソン」が2019~24年に全国に出した求人サイトの掲載情報を調べ、アルバイト・パート採用市場レポートとして6日に公開しました。
各社で店舗数が異なるため、19年4月の求人件数を基準とした増減幅の動向を見てみると、24年2月時点で最も増え幅が大きかったのはファミリーマートです。
同月の求人数は7421件で、19年4月の5948件から25%増加。求人数は20年上期からのコロナ下で一時下がったものの、今ではコロナ下以前の水準以上に回復していました。
同様にセブンイレブンも増加傾向で、求人件数は3万8621→4万5489件と18%アップ。
ローソンの求人件数は回復しているものの、いまだにコロナ下前の水準には戻っていませんでした。ただ、ローソンは他社に比べて求人サイトではなく、自社サイトでの募集に力を入れているそうです。
一方で、3社ともに右肩上がりだったのが平均時給。働く時間帯などで幅のある時給の下限平均額を見てみると、19年4月に926~955円だった平均時給は、24年2月には各社大幅に増えていました。
最も高かったのはセブンイレブンの時給で1057円。ローソンは1050円、ファミリーマートは1034円でした。
分析したフロッグによると、21年以降は最低賃金の引き上げに合わせて各社10月に時給が増加。首都圏だけでなく、地方の賃上げを進めていることも分かったそうです。
仕事の内容や応募条件も各社ごとに違いがあるようです。
セブンイレブンは、「初めてのアルバイトでもすぐに慣れます」といった文言で未経験者にアピール。
ローソンは常連客からの「ありがとう」の声かけなどを紹介してやりがいを強調し、ファミリーマートは「主婦(夫)」「学生」「外国人・留学生」など、応募条件のキーワードを一番多く設定して、幅広い層に応募を促していました。
人手不足が深刻化している中、アルバイト採用の難易度は年々高まっています。
データを分析したフロッグの担当者は「時給などの条件によって応募数に変動が出やすい。コンビニ側は、採用市場を理解した上で条件設定をすることが重要です」と指摘します。
同じコンビニエンスストアという業態ではあるものの、各社の求人の出し方や採用の手法に違いが見られるのは興味深いですね。
1/5枚