MENU CLOSE

IT・科学

辻希美さん「やせても健康じゃなかった」 思春期の〝やせ願望〟は

マイウェルボディ協議会が発足

産学官で立ち上げた「マイウェルボディ協議会」。発足のイベントでは、元「モーニング娘。」の辻希美さんが、アイドル時代に周りと比べてしまった経験や、ダイエットの体験を語りました
産学官で立ち上げた「マイウェルボディ協議会」。発足のイベントでは、元「モーニング娘。」の辻希美さんが、アイドル時代に周りと比べてしまった経験や、ダイエットの体験を語りました 出典: 水野梓撮影

目次

日本は、若い女性の5人に1人が健康リスクもある「やせ」状態にあります。「やせたい気持ち」を過剰にかき立てる社会を変えていこうと、産官学のチームが「マイウェルボディ協議会」を発足しました。発足のイベントでは、元「モーニング娘。」の辻希美さんやモデルの莉子さんたちが、体型や「やせ」との向き合い方を語り合いました。(withnews編集部・水野梓)

【PR】手話ってすごい!小学生のころの原体験から大学生で手話通訳士に合格

若い女性 5人に1人が「やせ」

日本では、1980年ごろからの10年間で、「やせ」の女性の割合は10%程度から20~25%と急激に増加し、現在も5人に1人の女性がBMI18.5未満の「やせ」状態となっています。先進国の中でもやせている女性の割合が最も高い国です。

「やせ」には、無月経や不妊・低出生体重児、骨がもろくなる、糖尿病になりやすいといった健康上のリスクがあるといいます。

協議会の代表幹事を務める順天堂大学教授の田村好史さんは「これまで肥満やメタボへの対策はありましたが、女性の『やせ』にまつわる健康課題への対策は遅れていました」と指摘します。

自分と周りを比べて…食べないダイエット

トークイベントでは、「やせすぎ」の女性が多い現状やそのリスクについて、モデル・俳優の莉子さんが「驚きました。私たちもこれから意識を変えていかないといけないなと思いました」と話します。

自分の食事をVlogでアップしたところ、「たくさん食べるね」などという声が寄せられたという莉子さん(中央)
自分の食事をVlogでアップしたところ、「たくさん食べるね」などという声が寄せられたという莉子さん(中央)

中学生の頃からアイドル「モーニング娘。」として活躍していた辻希美さんは「やせなきゃ、と食べないダイエットをしてしまって、生理不順になったり肌荒れしたり…。不健康になってしまった時期もありました。健康や内面を考えずに『やせたい』ばかりを考えていたという後悔があります」と振り返ります。

辻さんは「思春期で、女の子ばかりのグループでしたし、自分とまわりを比べちゃうことはすごくあったと思います。今なら『見た目は全てじゃない』と思えるけれど、当時はどうしても『見た目』に考えがいってしまっていました」と語ります。

「食べないダイエットをしたことも」と語る辻さん(中央)
「食べないダイエットをしたことも」と語る辻さん(中央) 出典: 水野梓撮影

辻さんの夫で、子どもの頃に太っていたことがコンプレックスだったという杉浦太陽さんは「やせたけど血液検査でひっかかっていました」と振り返ります。

「運動して筋肉で体重を増やしたら検査の結果も全部よくなったんです。やせていた時よりも、運動している今の方がウェルボディです。今回の活動は女性にフォーカスしていますが、やせていて不健康な男性も多いと思います」と話します。

「やせたらかわいくなる」呪いのコメントも

若い世代の「やせ願望」には、SNSのダイエット情報などメディアの影響や、「太った?」といった周囲からの体型にまつわるネガティブな発言が影響しています。糖尿病の薬がダイエット目的で使われるという危険なケースも問題化しています。

「モテクリエイター」としてSNSで発信してきた菅本裕子さん(ゆうこすさん)は、発信を始めた21歳の頃から「顔が丸いね」「太ってるね」といった心ないコメントが寄せられていたそうです。

体型にまつわるネガティブなコメントも寄せられたという、ゆうこすさん(中央)
体型にまつわるネガティブなコメントも寄せられたという、ゆうこすさん(中央)

「『やせたら絶対かわいくなるのに。ファンとしてのいち意見です』みたいなコメントも来ていました。女の子への呪いのようなコメントですが、真に受けて『やせなきゃ』って思っていました」と話します。

SNSでも発信する莉子さんは「動画メインのSNSは『ダイエット』というワードはバズりやすいですよね。でも、これがやせるとか、逆にこれはやせないとか、情報があふれて過ぎていると思います」と指摘します。

「健やかな体がいいな」と思えるように

今回、3月7日に発足した「マイウェルボディ協議会」は、内閣府戦略的イノベーション創造プログラムの一環で、「女性のボディイメージと健康改善のための研究開発」として始まりました。

身体的・精神的・社会的な健康が保たれている状態を「ウェルボディ」と定義し、「ひとりひとりが自分らしく、心地よくあり続けられる健康な身体を育める社会」をつくるため、社会的ムーブメントやボディイメージ教育、健康⽀援をおこなっていきます。

「マイウェルボディ協議会」の発足にあわせて開かれたトークイベントに参加した菅本裕子(ゆうこす)さん、辻希美さん、杉浦太陽さん、莉子さん
「マイウェルボディ協議会」の発足にあわせて開かれたトークイベントに参加した菅本裕子(ゆうこす)さん、辻希美さん、杉浦太陽さん、莉子さん 出典: 水野梓撮影

まずは10~20代の若い女性にフォーカスを当てた「マイウェルボディ for Girls」と銘打ち、「すべての女の子に、ずっと健康なからだを」を目標に、啓発活動や企業との連携に取り組んでいくといいます。

協議会の副幹事を務める、順天堂大学准教授・室伏由佳さんは「健やかな体で、動ける自分がいいな、と思えるようになってほしい。体重以外のバロメーターを身につけていってほしい」と話していました。

関連記事

PICKUP PR

PR記事

新着記事

CLOSE

Q 取材リクエストする

取材にご協力頂ける場合はメールアドレスをご記入ください
編集部からご連絡させていただくことがございます