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〝能登にいた高校生〟が投稿する美しい風景 「自分にできることは」
冬休みで東京に帰省中だったといいます。
元日に発生した能登半島地震。「能登にいた高校生」というアカウント名で、震度6強・震度6弱を観測した能登町の、震災以前の動画や写真をSNSで発信している高校生がいます。国内留学の制度を使って石川県立能登高校に通学していた高校生に話を聞きました。
階段駆け上がった先の夕日
@06_nanay 能登で地震があり壊れた町ばかりがネットに溢れているのを見て綺麗な能登も皆さんに知って欲しい、そして綺麗な能登を思い出して欲しい、という思いではじめました。ぜひ覗いて行ってください。 #綺麗な能登を知って欲しい #能登 #高校生 #青春 ♬ オリジナル楽曲 - 雀
友人たちと階段を駆け上がった先に、夕焼けに染まる海が広がる――。
「能登で地震があり、壊れた町ばかりがネットにあふれているのを見て、綺麗な能登も皆さんに知ってほしい、そして綺麗な能登を思い出してほしい、という思いで始めました」
そんな文言とともに、「能登にいた高校生」のTikTokアカウントで投稿された動画。
投稿したあおいさんによると、動画は昨年11月、あおいさんが通う県立能登高校から歩いて5分ほどの海辺で撮影された夕焼けの風景。
動画は広く拡散され、13万件以上の「いいね」がついています。
コメントには、「応援しています」と復興を願う声や「また行きたい」「素敵な場所ですね」と多くの声が寄せられました。
あおいさんは「投稿したときは、『きれいだな』と少しの人にでも思ってもらえればと考えていたので、ここまで多くの人に見てもらえると思っていませんでした」と話します。応援のコメントを読み、「動画を出してよかったなと思っています」。
東京で知った大きな被害
東京都出身のあおいさんですが、高校2年生の1年間、在籍校とは違う地域の高校で学ぶ「地域みらい留学365」の制度を使い、昨年4月から県立能登高校に通っています。
「いろいろな価値観に触れたかったのと、好きなカメラに触れる時間を作りたかった」と留学の理由を語ります。
能登半島地震が起きた1月1日は、冬休みで東京の自宅に帰省中でした。
東京の友人から「能登、大丈夫？」と連絡が来て、地震の発生を知りました。
テレビでは津波に関する情報が流れ「普通の地震とは違う」と感じ「ちょっと怖かった」。
その後SNSで情報を集め始めると、学校近くの鳥居が崩れている様子が映し出され「こんなにやばいんだ」と言葉を失いました。
能登の友人たちとも連絡をとりましたが、中には通信状況などで数日間連絡が取れない人もいて、「それが一番心配でした」。
「能登が怖い」防ぎたい
数日前まで日常だった能登での生活が一変している様子を、東京という離れた土地で知る日々。
「現地にいないので、できることが本当に少なくて。支援物資を送ろうかと高校にも聞きましたが、能登高校には物資が届いているから大丈夫と言われて……」
「12月まで能登にいて、こんなにいい街だと私は知っています。でも、街が壊れた写真ばかり出てきて、『能登が怖い』というイメージになっちゃうんじゃないか」と心を痛めたそうです。
「自分には何ができるのか」と苦しんだなか、ふと思い浮かんだのが、能登で撮った写真や動画でした。
「きれいな能登を知ってほしい」と、普段からカメラやスマートフォンで撮りためた写真や動画をSNSに投稿することにしました。
これからもずっと関わり続けたい
お月見の日に防波堤から見た海面に揺れる満月、学校までバスで通った20分の通学路、33人のクラスメート、7月にあった「あばれ祭」で感じた迫力――。
「何げないことが印象的で、とにかく楽しかった」と能登での生活を振り返ります。
神輿が火の中に投げ込まれたり、地面に叩きつけられたりと迫力ある「あばれ祭」では、写真撮影をしたり、地元のブルーベリー農園のキッチンカーを手伝わせてもらったり……地域との交流もたくさんあったといいます。
21日から始めたTikTokとインスタグラムでの投稿は今後も続けていくつもりだといいます。
現在はオンラインで能登高校の授業を受けているあおいさん。今後はまだ見通せないといいます。
「留学の間、本当に楽しかった。残りの留学生活がどうなるかは未定ですが、このまま終わりじゃなくて、自分の得意な写真などを、いかしながら、これからもずっと関わっていきたいと思っています」
〝能登にいた高校生〟が投稿する美しい風景 「自分にできることは」
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