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災害時に「ポリ袋調理」、電気いらずで節水 メーカー公式の〝炊飯〟
日頃から実践しておくことが大切です
災害時、停電したり、使える水が少なかったりする場合でもできる「ポリ袋調理」に注目が集まっています。メーカーがSNSでご飯を炊く方法を紹介し、日頃から実践して備えるよう呼びかけました。ポリ袋を使ったレシピは、農林水産省のサイトなどでも紹介されています。
「温かい食事は心を落ち着かせます」
能登半島地震が起きた2024年1月1日、ポリ袋「アイラップ」を製造販売している岩谷マテリアル(東京都)の公式SNSは、そんな文言とともに、カセットコンロと鍋、ポリ袋などを使ったご飯の炊き方を投稿しました。
ポリ袋での炊飯は、鍋を洗う必要がないほか、ご飯を炊きながらほかの食材を温められる・加熱に使った水を次の調理時に再利用できるといったメリットがあります。
担当者によると、投稿では無洗米を20分ほど水に浸したあと炊いていますが、一般的な精米でも非常時は研がずに食べられるといいます。
アイラップは耐冷温度-30度~耐熱温度120度ですが、高温の鍋底に触れると溶けてしまう恐れもあります。災害時に耐熱皿が用意できない場合は、ふきんやシリコン製のマット、金ザルなどを代用し、鍋底や鍋肌に直接触れないようにするといいそうです。
炊きあがりはお米の品種や水質、火加減などによっても違うため、「普段からコツや好みを掴んでおくこと」が大切と呼びかけました。
投稿には3万を超える「いいね」がつき、「停電中ですが、温かいご飯を食べることができました」といったコメントも届いたそうです。
公式SNSではご飯の炊き方のほか、ユーザーに人気の電子レンジを使ったポテトサラダやたまごサラダも紹介しています。電子レンジではなく、お米同様に食材を入れた袋をお湯に入れて加熱できるそうです。
なお、電子レンジで加熱する際には、「必ず耐熱皿を敷く」「口を結ばず、ねじるかたたむ(蒸気による爆発事故を防ぐため)」「油分の多い食材を避ける(耐熱温度120度を超えてしまう恐れがあるため)」といった注意が必要です。
「ポリ袋調理」は非常時に洗い物が少なく、衛生的な調理方法として農林水産省のサイトなどでも紹介されています。使用するポリ袋はアイラップに限らず、耐熱性のものを推奨しています。
一方、多様なレシピがあっても、ご飯の炊き方同様に日頃から調理していないと、いざというときに加減が分かりません。ガスや電気、水道などのライフラインが止まることも想定し、カセットコンロや水、長期保存できる食品などをストックしておく必要もあります。
アイラップの担当者は、「知識だけではなく実践が大事です。ポリ袋の活用法について、被災地ではない方にも届いてほしい。普段から練習していただければと思います」と訴えていました。
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