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#27 #就活しんどかったけど…

就活生が選ぶ〝今年の漢字〟は? 1位は「楽」でも、全体をみると…

毎年、清水寺で発表される「今年の漢字」
毎年、清水寺で発表される「今年の漢字」 出典: 朝日新聞社

目次

毎年12月になると発表される、その年の世相を1字で表す「今年の漢字」。日本漢字能力検定協会は「今年の漢字」を「税」と発表しましたが、就活生だったらどんな漢字を選ぶでしょうか?その漢字から見えてくる傾向は――。毎年、調査を行っている就職情報会社「マイナビ」に取材しました。

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就活しんどかったけど…

1位の「楽」は4タイプ

今回、2024年卒業予定の大学4年生と大学院2年生を対象にマイナビが行った活動実態調査(8月25日~31日、有効回答数1629人)で、自分の就職活動を漢字一文字で表してもらったところ、1位に選ばれたのは「楽」となりました。選ぶ漢字は選択ではなく、自由記述です。

就活生が選ぶ今年の漢字ランキング
就活生が選ぶ今年の漢字ランキング 出典: マイナビ

「楽」は前年に続き、1位にランクインしました(5.16%)。この漢字を選んだ学生の回答をいくつか紹介します。

「試行錯誤しながら取り組んだことにやりがいを感じたとともに楽しさを感じた」
「色んな人に出会えて楽しかった」
「なんとかなると思いながら気楽にやってきたから」
「人生において就活は1度しかないイベントなので楽しむことが大切だと思った」

マイナビキャリアリサーチラボの主任研究員・井出翔子さんは、「漢字は音読み訓読みもあるので、学生それぞれいろんな意味で『楽』を選んでいます。一概に『楽しかった』というわけではなく、大きく四つのタイプがあると思います」と説明します。

タイプ①:感想として「なんだかんだ楽しかった」「思っていたより楽しかった」
タイプ②:得たものとして「成長できた」「新しい人脈ができた」「自己発見できた」「初めての経験ができた」
タイプ③:難易度に関して「楽に内定をもらえた」「楽に選考が進んだ」
タイプ④:将来に対して「就職するのが楽しみ」

やっぱり就活はつらい?

1位がポジティブな漢字だった一方で、2位には「苦」が選ばれました(4.36%)。

「面接で落ち続けて苦しみ、研究が進まず苦しみ、時間のやりくりで苦しんだ」
「インターンシップのグループワークも面接も何もかもが大変で苦痛だった」
「苦いコーヒーを飲みながら何枚もESを書いていた思い出が強く残っている」

この「苦」ですが、コロナ禍での就活だった2021年卒、22年卒の学生への調査では1位になっています。

井出さんは「当時、『コロナ禍で選考方法が急にオンラインに変わってしまった』『対面でインターンに参加できなかった』という学生のコメントもあり、思っていたように就活を進めることができなかった苦しみが出ていたのではないでしょうか」と分析します。

就活生が選んだ過去10年間の「今年の漢字」
就活生が選んだ過去10年間の「今年の漢字」 出典: マイナビ

また、今年は「早」が8年ぶりのランクインとなりました(9位)。「1カ月以内にエントリーから内定まで全ての就活が終わった」「早期選考で内々定をもらった」という回答もあり、かなり早く就活が終わる学生も少なくないようです。

一方、今年のベスト10に入ったほかの漢字をみると、3位は「耐」(3.31%)、5位は「疲」(2.33%)、6位は「辛」(2.27%)と、やはり全体的にみると就活は大変だと感じた学生が多いことがわかります。

井出さんは「『苦』の1位が2年続いたところから、また昨年と今年と『楽』が続く結果となりました。苦しかったけど得たものがあった、など、就活を前向きでポジティブに捉えてくれるとうれしいです」と話しています。

<体験談お寄せください> 新企画「就活しんどかったけど……」では、コロナ禍で変化もあった就活の「いま」を見つめ直し、よりよいあり方を探っていきます。

大学在学中、または入社3年目くらいの方、就活の体験を聞かせていただけませんか?

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