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プログラミング学ぶ子、男子が8割 「女の子向けイベント」開く理由

「キャリアの選択肢にジェンダーギャップ、課題」

男の子の方がプログラミング教室に申し込む割合が圧倒的に高いというデータもあります。写真はイメージです=Getty Images
男の子の方がプログラミング教室に申し込む割合が圧倒的に高いというデータもあります。写真はイメージです=Getty Images

目次

子どもの人気の習い事にもなっている「プログラミング」。しかし、男の子の方がプログラミング教室に申し込む割合が圧倒的に高いというデータもあります。「自分に向けて用意された場がある」と感じてほしいと、女の子向けのプログラミング教室や体験イベントを開いている企業があります。なぜプロジェクトを始めたのか、主催者に話を聞きました。

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「自分に向けて用意された場」感じてほしい

女の子を対象としたプログラミングにまつわる多彩なイベントを展開するプロジェクト「KIKKAKE」は、2021年から始まりました。ロボットやAI活用、人材育成を支援している会社「アフレル」(東京都)とコエテコ byGMOが連携して主催しています。

始まったきっかけは、プログラミングスクールを展開する企業や、大学の工学部の先生らと話すなかで、「どの年齢層でも女の子が少ない」という共通の課題感があったことでした。

2022年にGMOメディアが行なった調査では、2022年3月中にプログラミング教室の申し込みを行った子どもは、男子は81.8%、女子は18.2%でした。

アフレルの谷口花菜子さんは、「男の子ばかりがいる習い事は行きづらかったり、男の子が好む傾向が強い学習内容ばかりが提供されていたら興味を持ちにくかったりするのでは」と推察します。

趣旨に賛同したプログラミングスクールや企業が関わり、プログラミングの体験イベントや、保護者向けのセミナーを開催してきました。
規模は年々拡大し、2021年は全体で740人超の参加者だったのが、昨年は970人超に。イベントを提供するスクール数も、昨年は100を超えました。

特に、子どもたちがプログラミングを体験できるイベントでは、「占い」をつくってみたり、トースターでクッキーを焼くためのプログラムをつくってみたりするそう。お菓子の空き箱で作った動物にロボットを入れて、動かすためのプログラムをつくるものもあります。
谷口さんは「男女で好みを分けられるわけではないですが、やはり傾向はあります。女の子にも好まれるようなコンテンツを各スクールが試行錯誤して用意しています」と話し、「女の子自身に、これは自分に向けて用意された場だと感じてほしい」と話します。

アフレルの谷口花菜子さん=本人提供
アフレルの谷口花菜子さん=本人提供

リテラシー不足、キャリアをつかむ中での障害に

谷口さんに詳しく話を聞きました。

――プログラミングを習う子どもたちの中で、男の子の割合が高いということですが、何が問題なんでしょうか。

習い事としてのプログラミングに女の子の割合を増やす必要性については、社会的な要請の側面と、本人の選択肢を広げるためというふたつの側面があります。

社会的な要請でいうと、一般的に「物づくり」に関するプロジェクトを展開するとき、チームの構成員の観点が強く影響されるということがあります。妊娠や出産など女性ならではのライフイベントもありますが、それらを含め、女性の視点が他の性と同等に反映されることは大切です。

現代社会において、人生の中でITツールに触らないことはもはやありません。そこにどれだけのリテラシーを持っているか、壁を感じずに使うことができるかというのは非常に重要だと考えます。
このリテラシーを持つことで、キャリアの選択肢が広がると思います。そこに、ジェンダーギャップが発生してしまうことに課題を感じています。

ITをどう活用するか、考える知識や経験を

――ITリテラシーを持つことで広がる選択肢とは、具体的にどのようなものがあると考えますか。

分かりやすいところでいうと、コーディングスキル(プログラミングで必要なコードを書く技術)があれば、プログラマーになる選択肢を持てるということです。

単にITリテラシーを持つ重要性もあります。ITをどう活用するかを考えるための知識や経験を持っているか否かということです。

例えば、会社の中でDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進したいとなったときに、それをどうすれば実現できるのかが発想できることはとても重要です。

また、それをシステム化するときにはエンジニアと連携して作ることになりますが、自分がプログラムに詳しくなくても共通の概念や言語を持つことは非常に重要です。

――プログラミング的思考、という言葉もありますよね。

課題解決のための最短ルートを試行錯誤しながらも自分で組み立てられるようになる力ですね。プログラミングを学ぶ中で、その思考過程も自然に体験できます。

小さいときの関心だけをいえば、「プログラミングを習っているのは男の子だけでも別にいいじゃん」となるかもしれません。ですが、子どもたちの20年後、30年後を想定しながら、ジェンダーの隔たりなく、学ぶ機会を提供することは重要だと思っています。

「将来の選択肢にジェンダーのへだたりがないように」と谷口さんは話します。写真はイメージです=Getty Images
「将来の選択肢にジェンダーのへだたりがないように」と谷口さんは話します。写真はイメージです=Getty Images

女性に限った話ではない

――一般社団法人情報サービス産業協会が発表した「基本統計調査報告書」によると、2022年時点で、ITエンジニア全体の中での女性の比率は約25%と、4分の1程度にとどまっています。2016年の統計開始時に比べれば割合は増加しているとはいえ、まだまだ少ないなとは感じます。習い事と仕事が必ずしも直結するとは思いませんが、子どもの頃から学んだプログラミングの知識で、エンジニアに……ということも増えるといいですよね。

たとえば、プログラマーに絞って考えてみると、パソコン一つで仕事ができます。企業もオンラインコミュニケーションツールを活用する時代になっており、在宅での仕事も可能だという意味では、女性のライフステージにあわせた就労はしやすいかと感じます。ただそれは女性に限った話ではないですよね。

「家族の介護が必要で地方から出られない」など色んな理由で、自宅の近くで就業をしたいという人もいます。仕事って、社会活動だと思っています。様々な理由で仕事だけに没頭することが難しかった人も、プログラマーという仕事、ひいては社会活動に参画できるようになっていると思います。

――先ほどのITリテラシーでいうと、そもそも、オンラインでできるような仕事をしたいという発想も、ITリテラシーが重要なのかもしれません。

プログラマー以外の職種でも、オンラインコミュニケーションのツールを活用できたり、仕組み作りができれば、リモート勤務は可能ですよね。ITリテラシーがないと、そういうツールを使いこなせないし、仕組みがあっても実現させることができません。

自分の個性やスキルを、ITと掛け合わせて力にしていくことが重要だと思います。
個性がITと直結する人はプログラマーになるかもしれませんが、料理とITとか、子育てとITとか、掛け合わせはいくらでも可能です。ITを駆使することで、子どもたちが自分の好きなことと組み合わせながら、自分らしいキャリアを築いていってほしいと思います。

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