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#21 #就活しんどかったけど…
やりがい求める傾向? 〝ゆるブラック〟で「働きたくない」学生5割
企業が長時間労働を見直すなど働き方改革の取り組みが進む中、近年、「ゆるブラック」という言葉が出てきました。「ゆるブラック企業」とは、やりがいやキャリアアップがない職場・会社のこと。就職情報会社「マイナビ」の調査では、学生の半数以上がそういった「ゆるブラックな職場では働きたくない」と回答しています。マイナビの担当者に聞いてみました。
「ゆるブラック」とは、数年ほど前から使われるようになってきた造語だそうです。
いわゆるブラック企業のような、極端な長時間労働やノルマを課す働き方や、パワーハラスメントの横行、給料が低い、離職率が高いといった厳しい労働環境ではないものの、成長や将来性、やりがいが感じられない職場のことを指します。
今回、2025年3月卒業見込みの大学3年生と大学院1年生を対象にマイナビが行った活動実態調査(10月20日~31日、有効回答数2067人)によると、「やりがいやキャリアアップがない職場では働きたくない」と答えた学生の割合が高い傾向になりました。
マイナビが、職場の特徴をいくつか並べて、働きたいかどうかを学生に選択してもらったところ、「どちらかというとのんびりとした雰囲気の職場である」「毎日定時で帰ることができる」といった働きやすさを感じさせる項目では、50%以上が「働きたい」と回答しました。
一方、「つらさをまったく感じないが、やりがいもない 」という項目では51.8%が、「仕事で特にスキルアップは求められない」という項目では21.3%の学生が、「働きたくない」と答えました。
また、「つらいことはあるが、成長できる実感もある」という項目では、「働きたい」が53.8%となりました。
マイナビキャリアリサーチラボの主任研究員の東郷こずえさんは「働きやすさを求めつつ、さらにやりがいやスキルアップを求める学生が多い」と話します。
職場でのスキルアップややりがいを求める理由の一つとして、「入社した会社で定年まで働く終身雇用が今ではリアルじゃなくなってきていることが挙げられます」と分析します。
実際、「数年後にタイミングがあえば転職を」と考えている学生も少なくないそうで、マイナビの調査の中でも、スキルが身につきやすい「ソフトウェア・情報処理・ネット関連」企業へ就職を希望する学生が多くなってきているといいます。
東郷さんは「学生にとって、スキルアップや成長できることが、今では企業選びの一つのポイントとなっています」と話しています。
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