連載
#112 コミチ漫画コラボ
「私の強みは責任感」面接で〝大嘘〟 でも内定した「就活あるある」
ES送る封筒には「want you」と書いて…
こなたさんが就活をしたのは、理系の大学院生だったときのこと。「やる気のない就活」をしていたといい、受けた会社は2、3社でした。友人に助けられながらエントリーシート(ES)の提出や面接練習をしていたといいます。
「渾身のES」が完成しましたが、企業に郵送する際の封筒にどう書いていいのか分かりませんでした。
友人に聞くと、「普通に宛先書いて送るだけだよ。あと最後に御中って書いて」と教えてもらいました。
「そんなん書くルールがあるんだな」とつぶやくと、すかさず「ルールってか常識だけどな」と友人からツッコミが入りました。
そして完成した封筒。それを見た友人はまさかの文字にあきれます。
「いや『want you』じゃなくて御中! 100%落ちるわ!」
……その企業とは縁がなかったそうです。
別の企業はESの審査が通り、面接に行ったこなたさん。面接官に自己PRを促されると、流暢に言葉を発します。
「私の強みは責任感を持って役割を全うすることです」
「この強みを発揮し、サークル活動では代表を務めました」
「そのような経験が御社でも活かせるのではないかと考えています」
しかし、これはいずれも「大嘘」。
こなたさんは「就活あるある」としつつも、「こういうことをして社会人になるんだなぁ」と大人への階段を感じたそうです。
結果、この企業から内定をもらい、就職しました。
就活の経験を振り返り、こなたさんは「当時、宛名に『御中』を使ったことは一度もありませんでしたし、メールの冒頭に『お世話になっております』と入れ、文末には署名を入れるということも知りませんでした」と話します。
周りに比べたら就活への本気度は低く、組織に属することは向いていないと思っていたといいます。大学時代から絵を描いて生計を立てたいと思っていましたが、現実は厳しく、就職することにしました。
現在は会社員として働きながら、毎日ブログにエッセイ漫画を投稿したり、コンテストに応募したりして活動を続けています。
ブログを始めたのはコロナ禍が始まった2020年。絵で食べていくにはまだ道半ばといい、ブログやコンテストへの応募も「心が折れまくり」。しかし、「ここで止めたら終わり。つらいこともあるけど、諦めずに発信していく」と話しています。
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