MENU CLOSE

連載

#7 プラネタリウム100年

現存する最古級の国産プラネタリウム 画期的だった〝キラメキ装置〟

プラネタリウムがドイツで誕生して100年

プラネタリアTOKYOの入り口付近に展示されているプラネタリウム
プラネタリアTOKYOの入り口付近に展示されているプラネタリウム 出典: 朝日新聞社

目次

今年は、プラネタリウムがドイツで誕生してから100年です。それを記念して、現存するコニカミノルタ製最古のプラネタリウム投影機が、東京の有楽町で展示されています。当時は画期的だった「キラメキ装置」が搭載されている半世紀前の国産プラネタリウム。東京で展示されることになった経緯を取材しました。(朝日新聞デジタル企画報道部・小川詩織)

【PR】デフリンピックへ向け「おもてなし」のコミュニケーション学ぶ

1966年完成、初の量産モデル

実はプラネタリウムの設置数が世界2位で、大手メーカーが3社も集う「プラネタリウム大国」の日本。大手メーカーの一つ、コニカミノルタプラネタリウムは、前身の千代田光学精工だった1958年、国産のプラネタリウム投影機を完成させました。

できたばかりの国産プラネタリウムは、兵庫県西宮市の遊園地・阪神パークで開かれた科学大博覧会で披露されました。

科学大博覧会で披露された国産プラネタリウム
科学大博覧会で披露された国産プラネタリウム 出典: コニカミノルタプラネタリウム

披露されたのは「ノブオカ式プラネタリウムⅠ型」。千代田光学精工の当時の田嶋一雄社長が、プラネタリウムの研究・開発をしていた信岡正典さんを招いて開発したことから、「ノブオカ式」と名付けられました。

この「ノブオカ式」は、阪神パークで1958年9月〜11月の間、実際に投影が行われました。博覧会後に福岡のプラネタリウム施設へ移されましたが、今は行方知らずとなっています。

その後、千代田光学精工から社名を変更したミノルタカメラが、1966年に初の量産モデルである「ミノルタプラネタリウムMS-10」という投影機を完成させました。

このMS-10は2000年までに58台が納品され、最もヒットした投影機となりました。そのうち14台は今でも現役で活躍中です。

プラネタリアTOKYOの入り口付近に展示されているMS-10
プラネタリアTOKYOの入り口付近に展示されているMS-10 出典: 朝日新聞社

今度はなくならないように…

「プラネタリウム誕生100年」を記念して、このMS-10の1号機が、コニカミノルタのプラネタリアTOKYO(東京・有楽町)で公開展示されています。

この1号機が、現存するコニカミノルタ製の国産機として最も古いものです。

MS-10は、6等星までの約5千個の星を投映することができました。1号機は1966年に山口県山陽町(現・山陽小野田市)の青年の家天文館に設置されました。

今年3月、建物や設備の老朽化により天文館でのプラネタリウム投映は終了することになりました。投影機は、製作したコニカミノルタが引き取ることになったといいます。

コニカミノルタプラネタリウムの藤掛曜平さんは「ノブオカ式のように『第1号がどこにいったかわからない』なんて悲しいことにならないように、引き取って展示することにしました。歴史を振り返るためにも昔の投影機は大切にしたいです」と話します。

山口県の青年の家天文館に設置されていたMS-10
山口県の青年の家天文館に設置されていたMS-10 出典: 朝日新聞社

未来技術遺産にも登録

この投影機は2021年、科学技術の発達史上で重要な成果を示す資料として、国立科学博物館の「重要科学技術史資料(愛称・未来技術遺産)」に登録されました。

MS-10は投映の精度や正確さに加えて、当時は画期的だった星がキラキラと輝く「キラメキ装置」が搭載されていて、国立科学博物館は「当時の技術や天体教育を示すものとして重要」と評価しています。

藤掛さんは「このMS-10はダンベルのような形をした、端に2球がついている二球式の投影機ですが、今の主流は一球式。違いを知ってもらい、プラネタリウムの歴史や技術の進化を感じてほしいです」と話しています。

MS-10は、11月13日まではプラネタリアTOKYO館内に入ってすぐの場所に、14日以降はプラネタリウムDOME2の入り口付近へ移して展示する予定。開館時間内は誰でも無料で見ることができます。館内には、コニカミノルタのプラネタリウム開発に関連する資料も展示されています。

連載 プラネタリウム100年

その他の連載コンテンツ その他の連載コンテンツ

全連載一覧から探す。 全連載一覧から探す。

PICKUP PR

PR記事

新着記事

CLOSE

Q 取材リクエストする

取材にご協力頂ける場合はメールアドレスをご記入ください
編集部からご連絡させていただくことがございます